奥山陽一のコラム

2011/02/20

講演

 

昨日はJCのセミナーの講演依頼があり、旭川に出掛けてきた。

 

13時に迎えの車が来るとの事だったが、事前の電話で14時半からプログラムが組まれているのに

その時間に出て大丈夫なのか?と尋ねたが多分大丈夫との事。

 

時間通りに士別JCの専務と新入会員のS君が迎えに来てくれた。

 

 



 

運転手はS君。

まだ26歳の彼のルックスは今風の綺麗な顔立ちで、どちらかといえば見た目草食系。

車中色々と話をしてみると、見掛けとは違い、なかなかしっかりとした受け答えが出来る好青年。

草食系かと思いきや、内面は意外と頑固な性格なのかもしれない。

 

 

車の運転にもそれが出ている。

完全に攻めの運転なのだ。

しかし、それはヤンチャな運転とは違い、的確な攻め方で安心して乗っていられた。

他人の車に乗ると運転手の性格がが見えてくる。

 

 

まあそんな中、車も順調に進み、旭川鷹栖インターを降りるあたりで専務の電話が鳴った。

現在地を報告している。

きっとJC関係者からなのだろう。

 

インターを降りるとまた電話。

同じ様に現在地を報告。

 

すぐさま電話が鳴る。

 

地元のメンバーではない雰囲気が伝わってくる。

 

ほらな、やっぱり・・・・

 

あまり偉そうなのは好きではないが、他の街のJCから見れば一応専務と同乗しているのはメンバーではなく今日の講師なのだからピリピリするのは当たり前なのだ。

 

私だって大勢の前で話をするのだから緊張もする。

そりゃあ伝えたいところの場面に入ればイタコ状態でスイッチが入るが、こういう場面では多少頭の中を整理するくらいの余裕も欲しい。

 

問題は気遣い。

 

JCはそういう気遣いを学ぶ場でもあり、特に理事長、専務は気遣いが全てなのだ。

先回りした気遣いが出来る人間は仕事においても社会においても成長が早い。

 

私も現役時代は隣街のJC等からは気遣いの奥山と言われていたくらい徹底していた。

 

私が仮に講師を迎える立場なら、まずは迎えの時間の前にスケジュールの確認を講師としながら

講師の都合を優先させる。

どんな講師でも緊張があるのだ、自分達の時間に間に合えば良いというスケジュールではなく講師の心の時間まで考えなければならない。

 

何度も専務の携帯が鳴るので、士別のメンバーか?と聞くと他の役員達からの電話とのこと。

 

専務自身が一番焦っているのが伝わる。

 

車の中で専務職がどのようなものか諭そうかとも思ったが、今言っても彼の性格ではこの状態では理解できずにおろおろするだけなので何も言わずに放っておいた。

 

私が口を開けば運転をしてくれているS君にも負担が掛かってしまう。

 

ホテルに入るなり、私の担当をしてくれる稚内JCのメンバーN君が駆け寄ってきた。

少し焦っている表情・・・

 

運転してくれたS君も表情が硬い。

 

しゃあない・・・・

 

 

 

ごめんねぇ~~、途中でお腹が痛くなってトイレに寄ってもらったら遅くなっちゃってさ~~~www

 

キャラ的に私が笑いをとれば何とかなるだろう。

 

真面目な性格のN君の顔が笑いながら引き攣っていたw

 

私だけ別の階の控え室に通されると、そこには今回私と講師をやることになっている名寄のY君が

待っていた。

 

久しぶりに顔を合わせたのだけど、すっかり雰囲気が大人っぽくなり経営者の顔になっていた。

握手を交し、しばし雑談。

 

その横で稚内のN君が私のコートを片付けたり、お茶を入れてくれ、正座をして話を聞いている。

 

ポケットのタバコを取り出した瞬間に灰皿がサッと差し出される。

 

私の行動を先回りして見てくれているのだ。

 

私が座布団を差し出し、膝を崩すように勧めるが遠慮しているので、N君が緊張した顔で正座

していると逆に私がN君に気を遣うので、私を緊張させない為にも足を崩して欲しいと言うと 失礼します と言いながら痺れて辛そうな足をやっと崩してくれた。

 

役員が次々に挨拶にやってくる。

 

N君はその都度私の後方に立つ。

 

時にカバンを持って廊下に出ようとするとサッと靴を出し、私のカバンをお預かりしますと手を差し出す。

 

当たり前のことでもこの当たり前がなかなか出来る人間は少ないかもしれない。

流石は専務経験者だ。

 

彼から話を聞くとJC暦が12年で一般の企業に務めているとの事、この12年の間随分と自己修練を積んでこられたのだろうと感心した。

こういう社員のいる会社はきっと素晴らしい社員教育をされているのだろう。

経営者の方も素晴らしい方なのだろうし、安心して社員を外に出せるのだろうと感じた。

 

いよいよ講演が始まり、始めは名寄のY君が話をした。

話の内容を5つのテーマに分け順を追って話していく形で非常に解り易く、共感できる内容で

私も現役時代を懐かしく振り返る事が出来た。

 

そして私の出番。

普段は1時間半~2時間くらいで話す内容をJC向けにアレンジしながら40分で伝えなければならない。

話の流れはその場の聞き手の雰囲気で決めていこうと思っていたので、別段自分の中では台本的な物は用意していなかったがそれなりに何かは伝わったのかなと思う。

後の感じ方は聞き手の問題でしかないのだ。

 

その後は土屋ホームの土屋公三さんの講演を聞かせて頂いた。

控え室で御一緒させて頂き、少しお話をさせてもらったが、何百回と講演をされてきていてもJCの雰囲気は緊張すると言っていた。

今年で古希を迎えた土屋さんの講演は、一代で築き上げてきた経験を元にお話されていたのだけど、やはり人生経験が豊富な人の話は妙に説得力があり、共感させられる部分が非常に多かった。

 

その後懇親会の中で、講演の中で使った私の作品を会場にいる女性メンバー限定でプレゼントさせてもらった。

セミナーに参加してくれた会員でジャンケンでもと考えていたが、人数も多く、丁度作品の数と女性メンバーの数がピッタリだったのでそちらの方が話が早いと思い、臨機応変に対応させてもらった。

 

懇親会が終わり、専務とS君は予定があるので先に帰り、残った士別のメンバーと軽く飲む事にした。

今回は女性メンバーも一緒だったので、理事長のT君にはオネエチャンのいる店は諦めてもらい、

私の知っている手品を見せてくれるバーに案内した。

 

カクテルを飲みながらマスターの見せてくれるマジックに一同子供のように目を輝かせ楽しんでくれていた様子だった。

私もはじめて見るネタも多く、女性メンバーのOさんの手の平から一瞬にしてトランプが消えたマジックには驚かされた。

K君のメガネの奥の細い目がパチクリと大きくなり、Oさんは子供のようにはしゃぎまくり、まるで小学生の娘でも見ているようで可愛かった。

 

大サービスで簡単に出来るマジックのネタまで教えてもらい、理事長のT君なんかは真剣な顔でリングマジックの練習をしていた。

 

美味しいお酒とマジックで盛り上がり、締めはOさんお勧めの博多ラーメンで旭川の長い一日を終えた。

 

今朝起きて、カバンの中に講演の謝礼の封筒を発見。

 

???

 

空っぽだった。

 

昨夜のバーでのマジックと共に封筒の中身はお店のレジの中に瞬間移動してしまったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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