10代で作品の世界に足を踏み入れ、もがけばもがく程出口が見えなくなる事に気付く。
試行錯誤の末、やっと光が見えかけると同時に次の闇が襲い掛かる。

頭の中に映像が浮かんでは消え、消えては浮かぶ事をずっと繰り返している。
やっと一枚の絵が出来上がっても、出来上がった瞬間には過去の物となる。

それは成長の証だよと慰められるが決してそうではない。

レンズを通して写し込む世界があるのだから、透過するもの全てが写真になるはず・・・

グラス、サランラップ、卵のケース、凍りついた窓、磨りガラス・・・・
とにかく片っ端から覗き込んだ。

ある時ガラスの向こうの女性が浮かんでは消え、消えては浮かぶ姿を目にした。
ここから新たな闇の世界が待っている事も知らずにカメラを向けた・・・・・

血が通う人間が造形にしか見えなかった。
いや、造形にしてしまいたいという気持ちの方が強かった。

今思えば、人を写していたのではなくガラスにばかり気が入っていたのだろう・・・

ガラスの女に血が通い出すことを祈りながら今日も闇の中で出口を探す・・・