2010/09/09
東京
6日から3日間、風の会の研修の為に東京へ行ってきました。
今回で二回目の参加ですが、前回の研修が2日間に渡っての研修だったのでカウント的には2回参加した事になるので、研修は3回目。
試験を受ける時に、年度内で半分以上出席が無ければ除名と聞いていましたが、何とか初年度だけでも皆勤賞を目指そうと考えています。
今回の研修は会長自らが講師となり、デジタルについて色々と話を頂戴しました。
研修は昼から時間無制限の一本勝負。
私と相棒の北見のF君は日帰りが無理なので、前日の夕方から最終便で上京し、研修後更にもう一泊しなければなりません。
会員の中でも一番経費が掛かります。
何かしら経費の削減と騒がれている世の中ですが、全くその逆を行っているかもしれません。
私達の業界は夏枯れといって、夏場には写真を撮る様なイベントが無いのでどこの写真館でもやりくりが大変で、私なんかは周りの皆さんより更にやりくりが大変だと思っています。
逆に言えば私のような者が必至に学ぼうとしているのに、他の人達はもっと学びの場に足を運べるはずだとも考えますが、まあその辺は私が言うべき事ではないのでここでは振れませんが、きっと自分達の技量と見比べる事が出来れば慌てるのかもしれません。
逆にその技量が解らないとか、それでも行動が出来ない人間は論外です。
経費を削減するより、経費を無駄にしない事が大切。
見て、触れて、感じる事の学び。
熱いものは触ってはじめて熱いと感じるのです。
といっても結構世間的には無駄遣いをしているように見えるかもしれません。
今日はその言い訳的東京紀行の話を・・・・
その前にまたまたやらかしてしまいました。 珍道中
16:50の飛行機で旅立つ為に16:00には空港入り。
海彦が忙しそうにしているので今回は店長に送ってもらった。
空港の前で降ろしてもらい、私は搭乗手続きの為にカウンターへ。
台風の影響か、空港は何時もより混雑気味。
普段は荷物を預ける事がないのだけど、混雑しているのでスーツケースを預けることにした。
普段しない事をした為にある事が発覚・・・・
保安検査を受け、カウンターで荷物を差し出す。
チケットの確認
「お客様、こちらはお帰りの分のチケットかと・・・旭川発のチケットの方をお願いします」
「あ?ごめん!こっちだね」
「はい、こちらのチケットですね。 出発まで大変お時間が御座いますのでごゆっくりなさって御待ち下さいませ」
????? ん ????? お姉ちゃん何言ってんだ?
「ごゆっくり出来る時間でもないでしょ?台風の影響か何かで遅れてるとか?」
「前便遅れておりますが、お客様の出発便は19:05分なので、多分このままだと20分~30分の遅れが生じるかもしれません。 誠に申し訳御座いませんが御理解下さいます様お願い致します」
その場で慌ててチケットを確認。
恥ずかしくなって、その場は何も言わずに退散。
なんとチケット購入から2ヶ月間、出発は16:50分と思い込んでいたのです。
もし逆に早い出発だったらと考えると有る意味ホッとしている自分って・・・・・
相当プラス思考ですよねw
慌ててF君に電話をするが通じず。
奥さんに電話するが、いつもの事でしょ?という感じで受け答えされた。
更に店長に電話。
事情を話して空港までカンバ~~~ック!
呆れた顔を見た瞬間、さすがにいつになく丁重に謝った。
丁度東京の気温が35度と聞いていたのでTシャツを多めに買っていこうか悩んでいたから、まずはTシャツを買いに市街まで戻ってもらった。
店長にはいつに無く笑顔で、君もたまにはゆっくり服でも見てきたら良いよなんて言葉を掛け、
内心少しでも時間稼ぎをしようと企み、店長から隠れるようにしながら服を物色。
店内は秋物一色で、Tシャツなど殆ど扱っていないが、処分セールでTシャツがなんと290円。
どうせ汗取り程度に着ておしまいなのだからと、2枚購入。
結局他に気に入った物が無かったので、580円の出費で済んだ。
経費節約w
その後空港に戻るとF君から電話。
事情を話すと、以外や以外・・・
奥さん同様何時もの事でしょ?という感じであっさりとお叱りも受けずに笑われてしまった。
本来ならF君の出発が最終便で、東京着予定が22:00頃なので、私が先にホテルで待つはずだったのだけど、こういう時に限って、私を野放しにしておくと何が起きるか解らないと心配してくれて15:40発の便に変更したというではないか・・・
いやいや大変申し訳なかった。
今回は申し訳ない気持が先行しているのか、迷う事無くすんなりとホテルに到着。
これ自体私には不思議なくらいに珍しい事なのです。
何せ東京から静岡行きの新幹線に乗ったら、終着駅が青森だったという事も・・・・
再会を祝してまずは腹ごしらえ。
歌舞伎町をプラプラしながら客引きのお兄さんお勧めの台湾料理店へ。
店内に入ると、メニューが全て向こうの言葉で書かれているではないか?
でもここは私の得意な分野。
言葉の会話ではなく、身体で会話。
と思いきや日本語がペラペラではないかw
あれこれ聞きながら恐る恐る料理を注文。
出てきた料理を口にすると、これが美味いの何の・・・・
日本人向けに味付けをしているのか聞いてみると、そのままの味だという話。
F君と、良し!次は台湾だ!という事で、相変わらずのノリでお店の店主や食事をしていた台湾のおばちゃん達を巻き込んで盛り上がった。
国際交流も無事終わり、夜の歌舞伎町へGO!
行き先は お玉さん (以前のブログで紹介)の待つニューハーフバー。
お姉ちゃんのいるキャバクラを卒業した私達はもっぱらショーが見れるような面白い店を探しては、人生の勉強会と称して未知との遭遇を楽しんでいる。
お姉ちゃん店で、お姉ちゃんを笑わせて楽しませてボッタくられるのは経費の無駄遣いの何物でも無い。
でも、お姉ちゃんの店からは学ぶことが出来ない事が沢山あるし、私自身機会があればニューハーフをモデルにして作品を手掛けてみたいと考えているので、その生き様を感じるには良い勉強の場所だと思っている。
決して順風万端に生きてきたわけでは無いだろう。
ゆっくりカメラを向けるとその人間らしさが見えてくるだろうと信じている。
今の私の作品に足りないもの、それは男も女も関係なく、人間そのものをえぐり取る事。
それをどうにかして表現してみたいのだ。
言っておくが、決してそっちの気がある訳じゃない、たとえ結婚したってそっちの穴だけは処女でいようと思うwww
最後の最後に お玉さん の人間味あるショーを見せてもらい一日目を終了。
結局ホテルに戻ったのが朝方の4時を回っていた。
二日目
会長の講演会。
過去の作品を見せて頂きながら、デジタルについての講義を受けた。
前回の研修では全くチンプンカンプンで、通訳が必要かと思ったくらいだけど、今回はすんなりと全ての事が耳に入ってくる。
生意気かもしれないが、会長自身さすがは日本の営業写真をリードする人だけあって、その引き出しの多さと表現の幅にはその辺のカメラマンでは太刀打ちできないくらいの経験と知識を持っている。
過去の作品の中には、私が挑戦してきた手法を取り入れながら表現しているものが沢山あり、その部分が私の心の中で共感を生む。
ただ全く違うとすれば、私は自分の想像や感覚だけで表現してきたのに対して、会長はレンズやフイルムの特性などを熟知した上で表現されているのだ。
懇親会で会長と二人きりで話をさせて頂く機会があったのだけど、その事を伝えると、お前の良さは自分自身の作品を掘り下げた冷静な目で見れることと、時代を先読み出来る直感的な能力に長けている事だとお褒めの言葉を頂いた。
会長は言葉のやり取り一つにも厳しい方なので、さすがに二人きりは緊張する。
出来るだけ二人きりにならないように遠巻きに聞き耳を立てているのだけど、どういうわけか酔いが回ってくると私の方にニヤニヤしながら近付いてきて色々と励ましの言葉を掛けてくださる。
一番嬉しかったのは 「お前を会に推薦したのは、お前の生意気さと写真に対する真面目さだ。昔見た生意気なツッパリが会う度に進化していく。 いずれ次の世代の日本のリーダーになるべき男だと信じているからお前を東京まで引っ張り込んだんだから、お前はお前を貫き通せ!」 と お世辞8割以上でも嬉しかった。
褒め上手に乗せられる事は無いけど、さすがに嬉しいものだ。
その後には必ずと言って良いほど他の会員さんから 「今会長と何を話していたの?」と聞かれるのだけど、それだけ会長の言葉を皆さんが気になっているという事なのだろう。
「お前の写真はまだまだだから、もっと勉強しなきゃダメだ!とお叱りを受けていました」と交わすように言うと、ニヤッとする先輩会員さん・・・・
それだけ皆がピリピリしている組織だと言う事も伝わってくる。
まだ潰される訳にはいかないけど、私にとって周りはどうでも良い話。
狙いはいつか会長に追いつき、超えていく事。
そこが無理でも足元に噛み付くくらいまでには成りたい。
作品の世界も営業写真の世界も関係なく、垣根の無い写真表現 「奥山陽一」になりたいと思っている。
結局この日は2:00過ぎまであの世を彷徨っていました。
移動のタクシーでも凍りつきそうになる珍事件が勃発したがその話は又の機会にしようと思う。
死神を見たとだけ書いておこう。
最終日
朝はのんびりするはずだったけど、電話で起こされた。
相手は同じ会の先輩から。
今回は欠席だったので、様子が気になっているらしい。
いや、きっと私がちゃんとやっているか気なって親心で電話をくれたようにも受け取れた。
その後F君と帰りまでの時間も無駄にしないようにと、東京写真美術館に行く約束をしていた。
三つの展覧会のうち、二つを見ることにした。
ここでも移動中にタクシーのハプニングがあったが、これも又の機会に書くことにする。
新手の詐欺か??とだけ書いておこう。
私にぴったりの展覧会が開催されていた。
世界中の色んな作家のヌード展。
写真の始まりの時代の頃の作品から現代までの作品がビッシリ飾られていた。
過去に見たものや、持っている画集で見たことの有る作品も多数展示されていたが、やはりオリジナルは違う。
例えるならメールでやり取りするのと、実際に会って話をする以上に伝わり方が違う。
その中に私が所属する日肖写の生みの親、吉川富三さんの作品が展示されているのにはビックリした。
私の好きなメイプルソープの作品も数点展示されていた。
時間を掛けて1点づつゆっくり見ていった。 見入ってしまったと言うのが正しいのかもしれない。
長くなるので感想だけ書いておく。
1970年代前半までのモノクロは味がある。
モノクロからカラーになって、写真は終わりに向かって歩き出し、今デジタル時代を迎え、写真は終わりに向かうスピードを更に加速させ、カメラマンごとその寿命を短くしているような気がする。
しかし、今の時代を生きる私達は今を受け入れるしかない。
だからこそいかに写真文化の寿命を延ばしていく事ができるか。
それは技術の進歩ではなくカメラマンの心根の部分でしかないと私は考える。