奥山陽一のコラム

2013/04/27

ハードな一週間②

 

風の会の翌日恵比寿の写真美術館で前日講師をされたT先生と待ち合わせ。

10時集合の予定でしたが9時半に電話が鳴り、今どこ?早くに着いちゃった~!と

T先生から・・・

 

F君と駅まで猛ダッシュ!



 

 

何とか会場で会う事が出来ました。

 

もったいないので何の写真展を見てきたかは書きませんが、150年前にタイムスリップして写真の歴史を紐解き、古きを学び、色々と考え深い展覧会でした。

そのままもう一つの写真展も見てきましたが見た瞬間私のよく知る写真家の作風と色の調子も作風もそっくりで、きっとこの作家から多くの影響を受けたのだろうとという事が解りました。

 

表現に新しいものなどありません。

 

自分の見た事がないものを新しく感じてしまうだけで、過去の多くの作品を見てきた人にとってはそれは新しいものではないのです。

 

現にコンテストで私の知っているカメラマンがある写真を出品したとき、周りはこれは凄い!今までに見た事のない新しい表現だ!と評価しました。

 

でも私はその写真を見た瞬間に過去に見てきた写真に全く同じ表現をしているものがあったのを思い出しました。

 

私の評価は、よく真似たね という事だけでした。

 

私のガラスの女も昔から多くの作家がやっています。

私は何となく惹かれるものがあり色々と試してみました。

その頃身近に私が求めるも作品を作られている先生と出会いました。

 

静岡にいる作品の先生です。

 

どうしても見たくて借金をして日帰りで東京まで個展を見に行った事もあります。

私が20代前半位の時でした。

それから作品を追いかけ真似るところから始めました。

先生がレースのカーテンを使っているのは解っていますが、それをそのまま真似るのは

礼儀に反していると思い、そこから色々と思考錯誤したのを懐かしく思います。

コップを覗いたり、卵のケースを覗いたり、サランラップを覗いたり・・・・

 

覗きまくりです。

 

そんな時偶然ホテルの風呂場の磨硝子に女の子の影が浮かんだり消えたり・・・・

慌てて店までカメラを取りに戻って撮りまくったのがガラスの女の始まりでした。

 

かなり不純なきっかけでしたが、それからあらゆるガラスを試し、ガラス屋さんに特注でセットを作ってもらったりもしました。

 

こういう女性を撮りたい時は三度磨り、こういう女を撮りたい時は二度磨りというようにガラスを使い分けたりもしました。

 

撮り続けて自分なりに行き着いた答えはガラスの中の表現にはあるところで限界があるという事でした。

 

その事を先生に話すとあっさり、そうだよ でした。

 

 

参りました・・・

 

でもこうやって深くまで追求することが自分の作品を作り上げていくことなのだと思います。

 

今回の写真展では表現することの楽しさを再び感じる事が出来ました。

 

作品撮りてぇ~~~~!

 

でもモデルをやってくれる子は皆札幌やあちこちに出て行ってしまって中々難しい状況です。

 

誰かモデルやってくださ~~い!

 

という事でとても有意義な東京の勉強会でした。

 

 

13.4風.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

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