2012/12/13
東京2
今回も色々珍事件もありましたが肝心の研究会はかなり濃い内容でした。
写真屋に必要不可欠なフォトショップの最新版について日本で数人しかいないフォトショップマスターの称号を持つ大先輩から多くの事を学ばせて頂きました。
人前で10分話すのも大変なのに5時間ぶっ通しで何かを伝えようとするのはどれだけ大変な事か・・・
感謝の気持ちを忘れずに、学んだ事を無駄にしないように、そして何よりお客様に喜んで頂けるよう、今日から早速に色々と応用して使わせて頂いております。
帰りの飛行機の時間まで風の会の先輩に教えて頂いた、東京国立近代美術館で開催されている
「美術にぶるっ!」 日本近代美術の100年 を相棒F君と見てきました。
私の作品作りのモチーフが女性という事もあり、萬 鉄五郎(よろず てつごろう) 私はマンテツと呼んでいますが。
マンテツの作品というより人間性が面白いと感じていましたが、そのマンテツの初期の作品とその後の抽象画の両方が見れたのも面白かったです。
マンテツは美術学校時代は反抗心の塊で、卒業制作で描いた裸婦像は手足を不格好に折り曲げ、鼻の穴は黒く塗りつぶし、腋毛まで描きました。
本来であれば女性の手足は美しく表現しなくてはならないと教わるところですが、何故そうしなければならないのか?という疑問を抱いていたのでしょう。
この辺は私の作品作りでも似たような疑問符を持っているので共感するところなのです。
営業写真の世界に於いてはお客様はあくまでも美しく。
しかし作品の世界では自由に表現したいものを描くので、例えば純潔を醜悪に表現したければ
どんなに美しい女性であっても内面をえぐり取り醜悪を表現する事が出来るのです。
マンテツのこの作品は個性を尊ぶ大正時代の幕開けを飾る一枚として評価され反抗心で描いた卒業制作での作品が重要文化財に指定されました。
私の作品では闇に葬られて終わりでしょうが・・・笑
その他にも多くの方が知っているところでは、芸術は爆発だ!の岡本太郎や土門拳が広島の原爆で被爆した人を撮り続けた写真等もあり、屏風や巻物、更には彫刻や静物表現等 これだけの重要文化財等が一同に見る事はなかなか無いかもしれません。
まだまだ見ても見足りないくらいでした。
よく業界の若い人達から新しい写真という言葉を耳にします。
私からすれば新しい写真って何?と思います。
世の中の全ての産物は過去の積み重ねであり、一人の人間の表現というのはその人の過去見たものや経験した事でしか表現は出来ないのです。
一時期私の周りでも作品を発表して、これは新しい表現だと持て囃された人間もおります。
私は一目見た瞬間に、何も新しい表現でもなければ中世ヨーロッパや海外にはこんな表現をしている
作家が沢山居るではないかと思ってしまいました。
私だけではなく、ちゃんと色々なものに目を向けている方々はやはり同じ事を言っていました。
新しい等と言っているのはその人がいかに過去の様々なジャンルの表現というものを見ていないかという事なのです。
それは人生についても同じではないでしょうか?
経験は年齢やキャリアは何も関係ありません。
写真の世界にいるならせめて様々なジャンルの表現というものに目を向けていかなければならないのではないでしょうか。
私は作家の名前と言われれば殆ど記憶にありませんが、作品だけは様々な分野を記憶はしているつもりです。
それでもやはり実際に表現してみようとすれば写真の世界は奥深くなかなか思うように操れないものです。
だから写真は面白いのです。
良い刺激を受けたので来年の展覧会用の作品は今までとは違った作品が作れそうです。
それにしても旭川空港に着いて温度計を見てビックリ!
マイナス16℃!!
寒暖差20℃以上には流石にかなり堪えます。
寒い{{ (>_<) }}