奥山陽一のコラム

2012/10/09

研修生

 
昨日札幌から研修生がやってきました。

札幌造形デザイン専門学校出身のKちゃん。

日中は七五三、成人、誕生等の撮影で忙しく略見学のみで会話する暇も無く・・・






せっかく札幌から来たのだから何か一つでも得て帰ってもらいたいので
閉店後にスタジオで軽くライティングの話をしながら撮影会をしました。


先ずは見せてもらった証明写真が余りにも酷かったので、スタジオにおいてのライティングの役割を
一灯づつ撮影して見せていった。

出来上がった証明写真を見てその違いにビックリしている様子。

証明写真がきちんと写せなければその先の写真には進めないというのが私の考えだ。



次に証明写真を進化させてのポートレート。
ライティングの基本はさほど変わらない。
そこに演出が加わっていく。
一見ボーイッシュな彼女を今回は情感を求める事はせずに極単純にモノクロで撮影。


鎌田モノクロ.jpg



次に背景を変えて特性ガラスフィルターで撮影。
ちょっとした工夫と表現で同じ空間で撮影してもガラリと変わっていく。


鎌田PF.jpg



今度は彼女自身がカメラを持参してきたので折角だから自分でも撮影をしてもらう事にした。


この頃中途半端な俄かカメラマンがド素人さんを集めて写真教室だ何だとやらかしている奴らが多い。
素人さんや初心者相手に専門用語を並べて難しい面倒な話をする奴は、てめえがいかに長けているのか、自分の存在を誇示したいだけに過ぎない。

お前の職業は何だ?と聞いてみたい。 
大抵は昼間はサラリーマンでそれ以外はフリーカメラマンですとか何とか・・・
シャッターを押せば誰でも写真が写ってしまう時代の産物だ。
そういう馬鹿を見るとド素人を装って現場に潜入して喧嘩してやろうかと思ってしまう。

先ずは楽しんでもらう事が全ての入り口だと思う。
あとは自分がその扉を開けるかどうかなのだ。

扉を自ら開けてきた者だけにその厳しさを伝えていけば良い。

少し前に旭川市役所の依頼で講師を引き受けた時の事を思い出し、デザイン学校出身なので
身近にある物を使って商品イメージ撮影し、それをポスターやCMのデザインとリンクさせていく
事にした。



台所に転がっていたジャガイモ、ニンジン、サツマイモを使って光の面白さや表現する事の楽しさを実践で体験してもらいました。


スタジオの照明機材ではまだ無理があるので、LEDライトを使っての撮影。
私は現場での商品撮影の時には持参した照明器具の他に、現場の灯りや窓から差す木漏れ日等にも目を向けるようにしている。
クライアントの注文以外にも面白いと思えば利益など度外視で色々撮影させてもらっています。


時には懐中電灯や車のヘッドライト、マッチの炎、キャンドル・・・ ある意味実験。

以前お世話になっている風の会でも現場の光を見極めながら撮影するという勉強をしましたが、レフ板や補助光が無ければ綺麗な写真は撮れないという営業写真屋の考え方が最初から頭に無い私にはこういう実験が非常に楽しい。



最初はただ写っているだけでしたが、無言のまま黙々と撮影しているうちにあっという間に見違えるほど上達。

私より上手になっちゃました 笑

秋の味覚.jpg

この経験が今後何かの役に立ってくれるとうれしいです。

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