2012/05/26
再び福島へ4
5月24日
川内村へ車を走らせた。
線量計を持っているとどうしても気になってしまい、走りながらあちこちで計ってしまう。
いわきから川内村に行くには山を一つ越えていかなければならないのだけどこれがまたかなり険しくて山の中に入ると道幅が一車線分程度しかない。
いわきと川内村の丁度境目辺りで線量系が0.99を指した。
なんじゃこりゃ? 今までの最高値だ。
こんな時に限ってピンボケですんません。
何となくでも解ってもらえるかな?
風向きや時間によっても違うらしく帰り道では同じ場所でも0.5まで下がっていた。
行く前に裏の情報で面白い話を聞いていた。
国の線量計の中には設置する場所に予め除染をして土の下に鉄の板を埋めてある場所もあるとの噂があるそうだ。
あくまでも噂だけど・・・・
一箇所だけ確かに数値がかなり違う場所があった事だけは書いておきます。
峠を越えると線量計の数値はドンドン下がっていき川内村の小学校のグランドは0.15とかなり低い数値で生徒さん達が校庭で元気に鉄棒の練習をしていました。
役場と教頭先生に挨拶をして、街の中で撮影を許可してもらった。
カメラを持ってプラプラしてると変質者に勘違いされても困る。
特に小さい街では気を使う。
小学校で撮影しようと思ったけど丁度授業も終わりかけていて給食の時間になるとの事でそんなに沢山撮影することは出来なかったが、士別からきましたと挨拶すると子供たちの中から 士別知ってる~~!去年行ったよ~~!と言う声が聞こえました。
給食が終わるのを待って集合写真を一枚記念に写して小学校を後にした。
街を少し歩くとあちこちで除染作業に追われている人達を見かけました。
気温は29℃ 汗だくになって気が遠くなるような作業をしていました。
一軒一軒の家の庭先の土を掘り起こして重機で袋に入れていく作業や公園の芝を全て手作業で張り替えていました。
どの人もこんにちはと声を掛けると明るく返事を返してくれる。
芝を張り替えていた人が話し掛けてくれたので士別から来たと言うとビックリしていた。
娘さんが小学生で一時神奈川県に親戚を頼って引っ越したそうです。
でも子供がどうしても川内村に戻りたいと言うので覚悟を決めて戻ってきたと話してくれました。
学校でも教頭先生がうちの学校の保護者の皆さんは覚悟して戻ってきているので外でも授業をしてもらって構わないと言ってくれているから気持ちが楽になれましたと話していた。
それでも最善の注意は必要なので線量には気を使っているとの事だった。
この日は川内村を後にして夕方早目にホテルに戻り休憩。
友達のSが職場の同僚のIちゃんを連れてくるのでいわきの最後の夜だから一緒に食事をする約束をしていた。
食事をしながら酒が進んだところでIちゃんからも震災の話を聞かせてもらった。
水が止まっていたので女性としては風呂とトイレが一番きつかったとの事だった。
最後に我慢できずに川の水を汲んできて髪を洗ったそうだ。
意外と綺麗なのかと思ったら翌日に見ると水の汚さにビックリしたけどベトベトゴワゴワの髪だけは我慢できなかったので我慢して洗ったそうです。
一年経つとそんな不自由な生活も忘れ、人間ってどうしてこんなんなんだろうと思ってしまうそう。
それから結婚願望が強くなり、あの震災以来一人でいるのが嫌で恋愛なんてしなくても良いから結婚がしたいと何度も何度も繰り返していました。
誰か良い人がいれば引き取ってやって下さい 笑
その夜は最後に寿司屋の大将の所に顔を出す予定だったけど私が来るのを察知したのか暖簾が降りていた。頑固な大将だからネタが切れてしまったのだろう・・・・
そのせいで御飯物も食べずに我慢していたので腹ペコ状態。
二次会も居酒屋さん。
それにしても普段には無いくらい飲んだ。
それなのに全く酔う事が無かった。
いわきの楽しい時間を過ごし、タクシーに乗る二人を見送ったあとホテルまでの道のりを何処か入れそうな店を見ながら歩いたが何処も閉まっていたのでおとなしく部屋に戻って一日が終了。
翌日は飛行機の時間までもう一度海岸線を久ノ浜まで走った。
前回と違う角度からも撮影しておきたかった。
その後再度たこ帆に顔を出した。
ボランティアで知り合った彼女と仲良さそうにたこを焼いていたので記念撮影。
やたらと照れている姿が初々しくて良かった。
お互いに頑張ろうと握手を交わし無事にいわきの全日程を終了した。
昨年は街の人にカメラを向けることが出来なかった。
今回は少しだけど声を掛ける事が出来た。
撮影したといってもピースサインのスナップ写真だ。
次に機会があれば今度はもっと深い撮影をしてみたい。
まだまだ復興には至らないけど人々は確実に歩き始めていた。
やはり行動が全てだ。
行動を起さない限りは何も始まらないし何も進まない。
まだ身動きが出来ずに苦しんでいる人も大勢居る。
逆に国から貰った保証金でパチンコ三昧という人間が居ることも真実だ。
でも被災した殆どの人が行動する事のきっかけを待っているように感じた。
何かしたい。
でもその何かが解らない。
そんな中で今回出会ったガレ花プロジェクトも一つのきっかけとして広まってくれれば良いなあと願う。