2012/05/26
再び福島へ3
次に訪れたのは四倉海岸
昨年は一番最初に此処で撮影をした。
街に入ると昨年一番最初に撮影したホームセンターがすっかりと綺麗になって営業を再開していた。
凄く嬉しかった。
客の入りも結構良いようで何だか良く解らないけどガッツポーズをしてしまった。
この辺もだいぶ落ち着き道路沿いには新しいお店もオープンしていた。
四倉を後にし、車は昨年衝撃を受けた久ノ浜へ・・・
先ずは久ノ浜幼稚園。
建物の基礎を残したまま跡形も無くなっていた。
前に進む為の事なので決して寂しく思ってはいけないのだろうけど、やはり少し寂しく感じた。
幼稚園から先は通行止めになっていたが今はもうちゃんと通れるようになっていたので、あの住宅街に入っていった。
昨年と全く違う様子にビックリした。
火事の跡の炭と化した松も無くなっていたし倉も無くなっていた。
目印となっていた物が無くなっているので一瞬何処で撮影をしたのか迷ってしまったが緒方さんという家の塀を探してみると去年のまま残っていた。
そこから道路を左右に分けて撮影した記憶があるのだ。
画像を見てもらえば解ると思うけど此処は本当に酷い状態だった。
街の地域が丸まま一つ無くなってしまったのだから・・・
ここから昨年は歩いても入れなかった更に奥までいってみた。
堤防になにやら絵が描かれている。
さらにあちこちの壁にも・・・・
何なんだ??
最初は家の壁に花の絵が描いてあったりしていたので、もしかすると此処に住んでいた人が少しでも何かしたいと思って描いたのかなと想像したりもしてみたが、絵を辿って走るとかなりの広範囲であちこちに描かれている。
悪戯じゃないのは解るが誰が何の為に?
絵柄がだいたい同じだし、とても一人で描けるものではない。
まもなくしてその正体が明らかになった・・・・
道路沿いにテント屋台のたこ焼き屋さんを発見した。
ろくに飯も食わずに撮影していたし、きっとこのお店も復興の為に頑張っているんだろうと思って迷わず車を停めた。
店の前に立って直ぐに絵の正体が解った。
色々と話を聞かせてももらった。
ボランティアで 「ガレキに花を咲かせましょうプロジェクト」 という運動をしているそうだ。
街の住民や子供達と一緒に毎週末になると少しづつ描いているとの事だった。
ビックリしたのが彼は札幌からボランティアに参加し、自分の人生観が変わり、プレハブを借り受けてそこで寝泊りしながら手作り屋台で「いわきたこ帆」というたこ焼き屋をはじめて、そこでプロジェクトを頑張っているのだそうだ。
今時こんな熱いバカは見たことが無い。
バカ野郎同士だから意見が合う。
最初は瓦礫に絵を描くことには賛否両論だったそうだ。
でもグチャグチャ能書きばっかりで前に進まないなら自分で行動しちまえ!そんな勢いだけで始めたそうだ。
でも今では少しづつ賛同者が増え、学校関係者からも子供達が通学の途中にあの瓦礫の中を歩く時にどんな悲しい思いだったかと思うと絵を描くことで少しづつ前向きになってきたと感謝されたりもするそうだ。
そんな思いの中、住民票をプレハブに移してしまったというのだ。
よく許可が下りたねと聞くと、役所の人もずっと一緒にボランティアをしたりしていたので彼が本気ならと言う事ですんなり許可してもらえたそうだ。
普通なら有り得ない話だけど、何でもマニュアル通りにしか対応できない行政マンが多い中、粋な話だなあと感動した。
躊躇したり先の事を考えてばかりだと何にも出来なくなってしまう性質なものでと笑いながら話してくれたそんな彼に共感した。
私も陰ながら彼のプロジェクトを応援していきたいと思っている。
ポスターのシャメだから見辛いかもしれないけど興味のある人は覗いてやって下さい。