奥山陽一のコラム

2012/02/27

近頃の・・・・

 

無事に札幌店がオープンし、店長に就任したスタッフの海彦も張り切って頑張っている。

立場が変わればなんとやら・・・

 

 

あまり褒めない私もこの数ヶ月の彼の頑張りは褒めてやりたいと思っている。

 

 

オープンに際しましては多くの皆様からお花や御祝辞を頂戴し、お店を華やかにして頂き、また

当日には札幌市内は許より、北見、函館、留萌等の遠方からも仲間がお祝いに駆けつけて下さり本当に嬉しいオープンを迎えられました事をこのブログからも心より御礼申し上げます。

 

 



 

 

 

さてさて・・・・

 

タイトルにある「近頃の・・・・」とは何か。

 

 

はい、やられてしまいました。

オープン早々かなりのダメージです。

私もスタッフも・・・

 

 

オープン前から今日までに同じ痛い目に3度もあってしまった。

自分を褒めてやりたいくらい。

 

 

きっと一昔前の私なら家のドアを蹴り破って引きずり出していたかもしれない。

 

いやその前に私の短い足ではドアに届かないかもしれないが怒鳴りまわしていただろう。

 

 

実は札幌店のスタッフ探しをしているのだけど尽く振り回されている。

 

 

先ずは店舗の改装中、やっとセットが出来上がってきた矢先、彼氏と離れたくないから札幌には行きたくないと言い出し、しまいには体調不良だとかの言い訳で1名トンズラ。

 

お陰で私と店長が交代で士別から札幌に通い、私が過労でダウンし緊急手術。

トンズラこいた奴に腹が立つより大嫌いな注射を打たれた事が一番腹が立った。

 

 

それでも何とかオープン前に何人かの面接をし、一人が研修に入った。

面接の時から商売には向かない無表情さが気になっていたのだけど顔が悪いから落としますという訳にはいかないだろうし、デザインの学校を卒業しているし、写真がやりたいと言ってきた事もあり、掃除やお茶を入れるくらいは出来るだろうし何事も経験を積んでいくしかないだろうと思い、普段なら受け入れる事がないレベルだが何せオープンまでに時間が無いので直ぐに研修に入らせた。

 

 

しかし私の中では、きっと3ヶ月の研修は持たないだろうと思い、引き続き面接を続けてはいたのだが・・・・

 

 

 

 

まさか、まさかの大どんでん返し!

 

 

 

なんとオープンの次の日に行方不明の無断欠勤。

これには流石の私も想定外だったのでビックリしてしまった。

 

 

オープン前のライティングテストや準備の中で、椅子を出したりする準備くらいは誰でも出来る事なので海彦と二人で実際にやらせてみた。

 

準備が完璧に出来る人間は撮影も出来るが準備が出来ない人間が撮影をしてもきちんと写る事は無いので先ずは準備からというのがうちの基本なのだ。

 

しかし覚えが悪いのかやる気が無いのか解らない態度で自分から前に出て行こうとしない。

この日が初めてではなく、一週間毎日撮影の現場には一緒に入っていたのだ。

 

 

時間が無いので普段は絶対にやらないのだが子供写真館のようにアルバイトでも大丈夫なように椅子を置く位置にテープで印を付けたりもした。

 

作業は単純で、他のスタッフのようにライティング等を教えるような事はせず、単純に椅子を置き、お客様をご案内し、髪の乱れ、服装の乱れのチェックするところから教えたのだけど、最初に私が見本を見せる為に撮影をしていても立って見ている位置が遠巻きに横から見ているだけなのだ。

 

それまでに何度も物事を見て覚える時には近寄って正面からきちんと見なさいと注意をしてきたのだがそれすら出来ないのだ。

 

 

学ぶ姿勢ではない。

どうしたいのかも解らない。

ダメだなこりゃ・・・・

 

 

 

そしてオープン前に再度デザイン学校を卒業した子と卒業予定の子の面接の希望が2件あった。

 

もちろん、はい喜んで!

 

でも一人は電話でも態度が悪いので面接すらお断りしようかと思っていたが一応ハローワークに面接する旨を伝えてしまったのでしょうがない。

本来私は面接希望があれば先ずは本人に電話を掛けてもらう事にしている。

電話の対応が悪ければその場でごめんなさい昨日決まったばかりです等と言ってお断りするようにしているのだ。

お客様はあちこちに問い合わせをしていると考えた方が良い。

同じサービス、同じ値段なら対応が良いところに行くと考えるからだ。

  

 

 

先ずはあまり態度がよろしくなかった子から面接。

 

 

やっぱりね・・・・

 

 

ちょっとギャルっぽく 「結構面接受けてるんだけど~ どの会社も私の良さが解ってないんですよね~」

 

 

ギャルではなくギャグだろ!おい!

 

 

「君にピッタリの仕事があるよ」

「マジですかぁ~?」

「はいマジっすよ~~! 夜の世界」

「あぁ、結構皆に言われるですよ~~~www」

 

 

三回くらい死んでくれ!

 

正味10分で試合終了~!

 

 

次にこの春卒業予定の子を面接。

 

自分で作った陶芸やランプの作品集を見せてくれた。

なかなか良いセンスをしている。

ただ気になったのが声が小さく聞き取りづらい。

 

甘く見れば緊張のせいもあるだろうし、今まで社会に出た事が無いのだからその辺は

経験を積んでいけば何とかなるだろう・・・・

しかし内心は半信半疑。

面接中に、私は耳が遠いのでもっと大きな声で話してくれと言ったが、何も変わらず同じトーンのままだった。

こういう事は自分自身で意識しなければ治るものではない。

 

ただ作品のセンスの良さだけはどうしても捨て難かったので悩んだ末に、とりあえず四日間士別で婚礼~百日、誕生、入学等色々と撮影が入っているのでもし良かったら見学してみてからもう一度考えてごらんと伝えると凄く喜んで即答だった。

 

もしかしたら何とかなるかもしれないと甘い期待をしてしまった。

 

 

 

 

そしてオープン当日・・・・

 

店の前に並んだ花輪に通り掛かりの人達が大勢押し寄せてくれている。

ついつい私と店長が対応している事に気付き、海彦と研修生に外に出てチラシを渡すなり笑顔で挨拶をするようにと店から追い出した。

 

お陰様でオープン後30分足らずで花輪の花が全て無くなった。

 

昼から写真関係の仲間が来店するとの事で、スタッフや駆けつけてくれた海彦のお母さんにも先に食事を済ませるように伝え、私は来てくれた人達と食事をしに出掛けるかもしれないのでお茶を飲みながら休んでいた。

二階のダイニングスペースに7人が並び、話が弾んでいる様子だったが申し訳ないがそれどころではない。

食べ終えた者から店に戻るように指示をする。

海彦と店長が直ぐに食べ終え、バタバタと店に出て行った。

 

しかし!!

研修生だけが食事を終えているのに立ち上がる気配がない。

それどころかお茶をすすりながら、デザートも頂いて良いですか?と呑気にしている。

 

普段なら先輩が食事もそこそこに店に出ているのだからと怒鳴りまわしているところだが、めでたい日だし、他の人も居る事だからとグッと堪えた。

 

 

間もなく仲間が来店したので店に出ようとしたが研修生は知らん顔で事務所でパソコンをいじっている。

 

直ぐに出て挨拶くらいしろ!と流石に我慢が出来ずに叱り付けた。

 

 

その後5人で近所に食事に出掛けたのだが、全員が研修生に対して同じ事を思っていたらしい。

 

 

その後夜に私が士別で店をオープンさせた当初にバイトで手伝ってくれていたYさんが子供を連れて遊びに来るというので小学校に入学するという事もあって第一号の撮影とモデルも兼ねて撮影させてもらう事にした。

 

海彦には撮影をメニュー化してパターン通りに撮影させる事にし、研修生には一応ポーズの付け方と、髪や服装、足元のチェックだけをきちんと見るようにと教えた。

しかし しゃがみ込んだまま全く動こうとしない。

とにかくポーズを付けた後とシャッターを切った後には子供を褒めるようにと教えるが黙秘権を行使ししているかのように黙り込んでいた。

 

撮影が終わり、隣の焼肉屋で打ち上げを兼ねてお祝いをする事にした。

Yさんも何かを感じたのか、研修生に色々とアドバイスをしているがここでも黙秘権を行使している様子で頷きながらも焼肉を食べる方が一生懸命の様子だった。

 

その夜、研修生が帰ったあとのミーティングで、私からは研修生の様子を見る限りでは間違いなく3ヶ月研修中に辞めると思うので決して研修生を当てにせず、それに備えて各自でやるべき事をやるようにと伝え、私は私で次の準備に取り掛かる事にすると話した。

 

 

そして運命の翌日・・・・

 

朝っぱらから電話が鳴っていたが、時計を見るととっくに電車に乗っていなくはいけない時間だ。

何となくピーンときたので電話を放置してやった。

 

その後海彦の電話が鳴った。

 

何やら話をしているが知らんフリしておいた。

 

海彦が顔色を悪くしながら報告してきた。

 

自分には無理そうなので辞めておきますとの事だった。

 

辞めるとは思っていたけどまさかオープンの翌日かよ!!!

 

 

他の研修生をさっさと育てていつでも準備を整えておくつもりだったのに先にやられてしまった。

 

その後研修生から再度電話があったが、怒る気にもならなかった。

君と話をしていても時間の無駄だし辞める人間に話す事は何も無いと、一言で終わらせようとしたが一人で勝手に言い訳ばかりしているので、君にとっては普通の一日かもしれないが私達にとっては人生が掛かっているくらい大切な一日だし、君には責任というものを何も感じないのかい?と言ったら、皆さんが仕事に対してあんなに真剣に取り組んでいるとは思ってもいなかったし、やってみて難しいので私には無理だと自分で判断しましたのでごめんさい。 との事だった。

 

仕事に対して真剣に取り組んでいるってどういう意味だろう?

こいつは何を目的にうちに来たんだ?

昼と夜は食事を出していたが飯を食いに来てただけなのか?

全く意味が解らない・・・・

食い逃げ野郎だな。

 

 

そうかい、そうかい、それはしょうがないよね。

はいはい お疲れ様でした~

時間の無駄なのでさっさと電話を切った。

 

その後北見のF君と電話でその話で盛り上がったのだけど、その後F君から函館のAさんにメールが飛び、Aさんからも電話が鳴った。

 

「ガハハハ、御愁傷さまでした~~~!」

 

「クソババア!笑い事じゃねえだろ!!」

 

「だってあれは無理だってば、夢物語には居ない根暗な顔だもんwww」

 

「こら!顔の事は言っちゃいけないだろ!」

 

「いやいやそりゃそうだけどさあ、オープンの次の日って凄くない? 近頃の子だよねえ。

やっぱりアルバイト募集するのやめとくわwww」

 

「近頃も昔の子も関係ないってば!」

 

「まあそりゃそうだよね、でも常識無さ過ぎだわ。 でも大丈夫!ピンチをチャンスに変える男だから何とかすると信じてますからwwwww」

 

 

Aさんは普段に無いくらいの上機嫌だった。

人の不幸がそんなに嬉しいのか?それともドSかよ?鬼!悪魔!クソババア!

 

気持ちを切り替え、面接の子を士別に連れて帰ってきた。

稚内で研修中の兼成もどれくらい成長しているのか見てみたかったのと今後の為に婚礼の撮影に入ってみるようにとの事で呼んでおいた。

 

兼成に証明写真を撮影させてみるがまだまだ気遣いが出来ていない状態だった。

面接の子には店長との話し合いで、先ずはスタジオではなく写真貼りの基礎の部分から教えていくようにした。

 

私も原点に戻り、研修生には当面証明写真の勉強等はさせない事にし、小学生でも出来るテープ貼りからゆっくりとやらせていく事にした。

 

そこでビックリしたのが研修中の兼成が写真貼りをまだやっていないという事なのだ。

一番最初に覚える事ではないか。

とりあえず稚内の店長にも連絡を入れ、やらせるように指示を出した。

 

本人のやらせてもらえないと言う言葉と彼を見てやらせることが出来ない理由があるのかもしれないので、自分にも原因があるのかもしれないぞという事を伝えた。

己を知ろうとしない危険なタイプなのかもしれない。 

 

 

その夜二人の研修生に共通点を見つけた。

 

二人とも本当に良く食べる事だ。

 

見ていて気持ちが良いを通り越してしまった。

店長も無言になってしまった様子。

 

こいつはこのままだと仕事が出来ないで終わるタイプなんだろうな・・・・

 

 

その後少しでも面接の子がうちの雰囲気に慣れる様にと3人で久々のダーツ大会。

ダーツにも写真と共通する部分がある事を二人に教えるが伝わったのかどうか・・・

 

 

その後も士別に居る間の二人の食欲はとどまる事を知らなかった。

食後に女の子が台所でこっそりとパンを頬張っている姿に、もう笑うしかなかった。

 

面接の子に写真屋の仕事はどうだい?と訪ねると 楽しいです、是非やってみたいですという返事が返ってきた。

私も採用後にどういう流れで進めていこうかと色々と考えていた。

とりあえずは卒業まで出れる範囲で札幌店でバイトという形で入ってもらい、卒業後直ぐに研修に入らせて先ずは仕事の流れを覚えてもらう事にしようと考えていた。

 

無事士別での研修が終わり、二人とも食い逃げ状態でトンズラしていった・・・・

 

トンズラ?

 

え?

 

食い逃げ?

 

 

そうなんです、見事にトンズラこかれてしまったのです・・・・・

面倒臭くなってきたので詳細は書きませんが・・・・

 

 

一体全体世の中どうなっちまってるんだ? おい!

頑張りますは何を頑張るっていうんだい?

 

そんなこんなで今日も面接の問い合わせがあったのだけど・・・・

面接恐怖症になりそうな今日この頃です・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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