奥山陽一のコラム

2011/11/12

怒涛の一週間-稚内

 

体がだるい・・・

 

目は覚めても布団から出たくない。

 

札幌から戻ってきたその日のうちに稚内に入らなければならない。



 

 

 

研修生のK君を連れて夕方には稚内に入らなければならない。

 

この日は偶然にもJC時代の先輩であるT社長も稚内入りしているとの事、前日に電話を頂き、稚内で美味しいお店を紹介して欲しいとの事だったが、私も稚内入りすると告げると、一緒に食事でもしようとお誘いを受けた。

 

正直しんどい・・・・

この日はノンビリホテルに引きこもってやろうと考えていたのだけど、先輩の誘いにNOという言葉は出せない。

例えNOでもYESになる手法を考えなければならないのだ。

 

その辺、今の現役は軽くNOと言って終わってしまうのだろうけど・・・・

 

 

K君が札幌から士別に向ってくるのを待ちながら色々と頭の中でシュミレーションする。

 

翌日から研修が始まるK君と稚内の店長の顔合わせや研修の流れを打ち合わせしなければならない。

T社長との待ち合わせもある。

 

さてさて・・・・・

 

走りながら店長に連絡を取り、事情を説明し、店を探すように指示を出す。

 

K君のとろくさい運転に合わせて走っているせいかバックミラーばかり気にしながら走った。

 

この速度で走ると待ち合わせの時間に間に合わないかもしれない。

ふと思った、俺がKに合わせるのか?

お前が頑張って着いて来いよな!と思った瞬間スイッチが入った。

 

バックミラーから一瞬にしてK君が消えた。

 

それでもかなり遠慮して走ってはいるのだけど、K君も何とか着いてきている様子。

やっと私の視界に入ってきた。

 

若干25歳の彼の車はド派手なステッカーと大きな羽が着いている。

 

25歳ならそろそろ卒業する頃だろうよ。

 

男は遅くに遊びを覚えてしまうと大変なのだ。

 

いつか羽をもいでやろうと思っている 笑

 

しかし飛べるくらいの羽を着けている割に運転は下手くそなのだ。

 

多分鼻くそをほじりながら私の短い足で運転しても着いてこれないかもしれない。

 

 

そんなこんなでやっと稚内に入った。

 

さてどうする?

結局店長とK君を初対面で二人きりにするのも可哀想だし、社長とご一緒させてもらう事で何か勉強になるかもしれないと判断し、御一緒させて頂く事にした。

 

店長にはその旨、気遣いの勉強をするように伝えた。

 

K君を店に連れて行き、店長に社宅の案内等を任せ、ホテルに向った。

社長に電話をしてチェックイン後に社長の宿泊しているホテルにお迎えに上がりますと告げるが、なんと私の泊まるホテルのロビーで待っているとの事だった。

 

こりゃあやられたわ。

 

 

チェックインを済ませ、社長と社長のところの従業員のN君とタクシーに乗り込み予約してあるお店に向った。

 

このN君はJCの後輩でもあるので私も昔から良く知っている。

 

店長からメール。

 

 

先にお店に入って皆様をお迎えしたいので、ホテルを出る前に御連絡下さい・・・・

 

 

あらら残念!もう着いちゃうよ 笑

 

まあこういう気遣いはとても素晴らしい事だと思う。

 

 

座敷に通され間もなくして二人がやってきた。

挨拶を交わし乾杯。

 

 

K君の顔が緊張で引き攣っている。

 

ずっと正座をしていたらしく、気を遣って飲み物のお代わりをお願いする為に立ち上がった瞬間痺れた足がいう事を聞かないらしくテーブルにドカ~ン!

 

爆笑

 

 

彼の場合は緊張というより完全にビビッている緊張なのだろう。

ちょっと可哀想だったが笑えた。

 

 

その後二次会へ移動。

 

いつも行く稚内のメンバーがやっているスナック。

 

ここのママがが現役なのだけど、酔いが回ってくるとデカイ声を張り上げながらお喋りが止まらなくなる。

私でさえ口を挟む隙も無く、悪く言えば人の話しが聞けなくなり、客の話を聞くのではなく自分の話が最優先になってしまうのだ。

 

 

毎度もう少し声のトーンを下げろと注意するのだけど、本人全く悪気も無ければ記憶にも無いらしい。

 

T社長と飲むと大体の行動パターンが決まっている。

 

バーっと話をした後は若い人で勝手にやって頂戴という状態で眠りに入る。

 

この日もいつもと同じパターンだった。

 

社長が話しを始めるとK君とN君は真剣に聞き耳を立てて聞いている。

 

末席に座っていようがこの姿勢が非常に大切な事なのだ。

一つでも情報を得て、それを生かした行動が出来る者の勝ちだ。

 

しかし運が悪い事に丁度真ん中に店長とその同級生が座っており、社長の話とは全く関係の無い話をベチャクチャとしている。

 

N君とママの目線がチラチラと店長の方に行くのが解る。

 

御近所のオバチャンの世間話と同じノリ。

逆に言えば雑音でしかない。

 

携帯電話で話している人が側にいると何故か不思議とその会話が煩く感じてしまうのと同じ感じだ。

 

早くこの空気に気付けよな・・・・・

 

 

おいK君、こっちに来て座りなさい。

悪いけどオネエチャン達二人は場所を変わってくれないか・・・・・

 

 

怒鳴りまわすわけにもいかないので静かに席を変わらせた。

 

 

ママもママだ、自分のところのスタッフを野放しにするなよ。

あとからキッチリと話をさせてもらう事にした。

 

 

その後社長はいつものパターンAで安らかに・・・・

 

いやいや気持ちよさそうに居眠りを始めた。

 

ほぼ同時にママのテンションと酒を飲むスピードが上がり始めた。

 

話が終わらないまま閉店の時間になった。

 

 

何となくイライラが納まらない。

 

身体はクタクタな筈なのに逆に疲れすぎて眠気も失せてしまったようだ。

 

丁度ママが私にもう一件アフターはどうだと言うので願ったり叶ったりだ。

話の続きをしてやろうじゃないか。

 

社長とN君を見送り、うちの二人にも飲み足りないしオネエチャンを口説きたいから邪魔しないで帰れとタクシーに乗せた。

 

そのまま1Fにあるバーに入るが全く持ってボーイさんらしき人からいらっしゃいませも無い。

 

カウンターに座ったが説教をしてしまいそうなので黙って奥の座席に移動した。

 

色々と話をしている最中にママがバーのスタッフを怒鳴り始めた。

 

 

おいおい・・・・

 

こりゃダメだな・・・・

 

根本酔っ払いに説教をしたところで何の意味もなさない事をすっかり忘れていた。

 

しょうがないので隣の子と一緒に黙々とピザを頬張り続けてさっさと退散する事にした。

 

時計を見てビックリ!

何と4時。

どっと疲れが押し寄せてきた。

 

 

翌日は昼にチェックアウトだし、店に行っても学校の撮影で誰もいないのでノンビリする事にした。

目覚ましを11時にセットしておいたのだけど、目は覚めても体が動かない。

シャワーを浴びながら居眠りをしてしまった。

 

その後一件撮影をし、研修の流れを説明して帰る支度をした。

 

帰り際に食事を勧められ、何時もは断るのだけど今日は何故か自らお願いしますと言った。

 

ここのお母さんの作る御飯は栄養のバランスを考えてくれていて味付けも本当に美味しいのだ。

昼間に皆で煮込みハンバーグを食べたと聞き、私の分も用意してあったと聞かされていたので、ハンバーグに期待していたのかもしれない 笑

 

というよりきっと体が栄養のバランスんが良い食事を欲しがっていたのかもしれない。

 

期待通りにハンバーグだった。

ここの煮込みハンバーグは前に一度御馳走になっているのだけど、その辺のレストランで食べるより美味しいのだ。

 

いっその事、店を出したら良いのにと思う。

 

店の名前は ビックリドッキリとか・・・・

 

 

お腹もしっかりと満たされ、居眠りをする前に食い逃げをして稚内を後にした。

 

本当に怒涛の一週間だった。

 

しかしまだまだ土日の撮影が待っている。

どこかで一日グッスリ眠らせて欲しい・・・・

 

タフが売りの私も流石にバテ気味かもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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