奥山陽一のコラム

2011/10/20

訃報

 

夜中に電話が鳴った。

 

すぐにピンときた。

 

オヤジからの電話だった。

 

婆さんが22:00に眠りに付いたとの事・・・・・・・



 

 

 

私が帰ったあと直ぐに容態が変わったのだけど、最後は眠るように静かに息を引き取ったそうだ。

 

 

不思議と悲しくはない。

 

 

残念な事にお客様から御予約を頂いているので葬儀には顔を出す事は出来ない。

 

甘えれば外の撮影はスタッフに行かせる事も出来るし、スタジオの撮影も日をずらしてもらう事も出来るのだけど・・・・・

 

私はこれが親であっても同じだと思っている。

 

 

そういえば10数年前に母方の爺さんが亡くなったのが成人式の日の朝。

 

この時も予約のお客様を全て撮影し、全員を見送った後に吹雪の中を走った記憶がある。

 

この時も亡くなる前に病院に見舞い、爺さんと心の中で会話をし、きちんとお別れをしておいた。

 

 

人間は後悔する生き物だから、その後悔は出来るだけしないようにと考えている。

 

後悔しない為には自分から行動を起こしていく事しかないのだ。

 

それでも必ず後になってもっと伝えたい事があったと振り返ってしまうものなのだ・・・・・

 

 

明治43年10月2日生まれ 101歳  

 

明治、大正、昭和、平成・・・・四つの時代を生きてきたのだからスゲーよな。

 

時代の移り変わりの中、婆さんの目から見た世の中はどんな風に見えていたのか聞いてみたかった。

 

戦争を体験したお年寄りもどんどん少なくなってきている。

生きているうちにもっと色んな事を聞くべきだと思っている。

今の訳の解らない教師が教壇に立つより、一つでも多くの経験を積んできている爺さん婆さんの

話を聞く方がはるかに子供達の為になるのだ。

 

ともあれ、婆さんには感謝の気持ちと共に士別の地から御冥福を祈りたい・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奥山陽一のコラム
このページの一番上へ