2011/03/30
顔、顔、顔・・・・
先日3日間士別市役所の職員の証明写真の撮影をさせて頂いてきました。
金曜日の朝から役所の一室に機材を運びセッティング。
人数的には400人弱の撮影なのだけど、撮影日が金、月、火曜日の3日間。
私の心の叫び・・・・・
400人くらい半日もあれば楽勝だろうよ・・・・
この書き入れ時に3日間スタジオを留守にするのはヤバイだろ・・・・
納期はたったの2日間、おいおいマジかよ・・・・・
毎年高校の証明写真を撮影しているが、数年前に初めて撮影させて貰った時に私の撮影のスピードを見ていた教員達がビックリしたらしく、翌年から撮影時間がえらく短縮されてしまった。
今年はなんと全校生徒分の撮影のタイムスケジュールを2時間40分にしてきやがった。
いくら俺が天才だからってお前達それはないだろうよ!
俺をいじめて楽しいか?
ギネスに挑戦しているわけじゃねえっつうの!
まあしゃあない、天才故に神から与えられる試練も大きなものだと受け入れるしかないw
とまあ、高校の証明写真ですらこんな感じで半日で勝負が決まるのだけど、3日間は長くないだろうかと思いつつも、職員の方々も仕事をしながら合間をぬって撮影に来られるのだし、この御時世にどんな仕事でもありがたくお仕事をさせて頂かなければならないとは思っている。
そんなこんなで撮影の準備をしていると、担当から説明があり、職員一人づつの職員番号をデータに貼り付けて欲しいとの事・・・・・
聞いてないよ~~~!
おまけにデータも二種類づつ作ってくれとの事。
後出しジャンケンかよ!
見積もり依頼書とは違うのだから価格だって変わってくるだろう。
ほぼボランティア価格で、マジにこの時期なら一日スタジオで撮影していればそれ以上の売り上げになるし、この為に予約のお客様に無理をお願いし撮影日をづらして頂いているんだぞ。
と心の叫び・・・・
実際には可愛子ぶって 「嘘でしょ~~有り得な~~い!でもやるしかないんでしょ? ハイハイ解りましたよ。 しっかりとやらせて頂きま~す!」 と苦笑い。
いやいや俺も大人になったもんだと心のなかで自分を褒めてやった。
いよいよ撮影開始。
あれ?
ぽつり・・・・・
ぽつり・・・・
集団でまとめて入ってくるのかと思いきや・・・・・
サブに着いていた店長も「私必要無いんじゃないですか?時間が勿体無い」と一言。
午後から店の方を開けて他の仕事をするように指示した。
午前中に70人くらいの撮影をしたのだけど、途中で居眠りをしてしまった。
こりゃあ3日掛かるわな・・・・
最終日は午前中は朝日町の支所で撮影。
合併してからはじめての事もあり、職員の皆さんも珍しそうな顔をしながらゾロゾロと流れてくる。
昼までの予定時間より30分早く撮影を終えることが出来た。
午後からは再び士別。
新たにセッティングもあるし、この日は13時からスタジオでも撮影が入っている。
このお客様だけは東京から撮影の為に帰郷し、撮影後に直ぐに帰られるという事で予約の変更が出来なかったのだ。
コンビニでおにぎりを購入し頬張りながら移動。
セッティングを終えて、店長に撮影を任せてスタジオの準備に戻った。
予定より遅れてお客様が到着。
東京での震災の影響を聞くと、浅草から羽田に移動するまでに電車で3時間も掛かったそうだ。
走っては停まり、走っては停まりを繰り返していたとのことだった。
和寒町に住むおばあちゃんも入学式を見に行く事を楽しみにしていたそうなのだけど、今回は涙を呑んでキャンセルしたらしい。
私も来月に東京に行く予定だけど、行きは良くても帰りはどうなる事やら・・・・
帰り際に入学の撮影をさせてもらった子と幼稚園の子が募金箱に10円づつ入れたいと、お母さんに10円ちょうだい、10円ちょうだいとねだりながら入れてくれたのだけど、その子が一言。
「後からお小遣いから引いておいてね。自分のお金で困っている人にあげたいから」・・・
感動したと同時に身が引き締まる思いになった。
母親が発した言葉ではない、こんな小さな子が自分の意思で発した言葉なのだ。
子供達は純粋な目でしっかりと世の中の出来事、そして大人達を見ているのかもしれない。
お客様を見送り、店長と交代しようと靴を履いた瞬間、税理士の先生が予定より早くやって来た。
タイミング悪!
事情を説明し、先生に留守番をお願いしてしまった。
その後相変わらずのノンビリペースで撮影をし無事3日間の撮影を終えた。
意外にうちのお客様に役所の方が多い事にもビックリした。
会社に戻ってすぐに処理に取り掛かる。
顔、顔、顔・・・・・・・・・・
役所の人は人間が解りやすくておもしろい。
でも、顔を指定のサイズに切り抜いていく作業をしていると目が回りそうになってくる。
写真の中でも人に酔ってしまいそうだった。
時にはシワの深い人やちょっとお肌のコンディションが良くない人には少しぼかす程度に修正も加えてあげなくてはいけない。
スタジオで写す証明写真だと別料金のオプションメニューなのだけど、この頃はサービスで女性のお客様には多少の修正を加えるようにしている。
ボランティア料金とは言え、やはり喜んで頂きたい。
これも私の職人としての性なのかもしれない。
連日徹夜、そして昼間は撮影の合間をぬってなんとか仕上げも終わった。
一晩何もせずにボーっと過そう・・・・
肩凝りが痛みを越えて痺れているが、休む間もなく今度は稚内の分とうちのスタジオの仕上げが山済みになっている。
明日からまた仕上げだ。
昔の写真屋が職人を育てたり使用人を沢山雇っていた時代も有ったらしいけど、こんな仕事量がずっと続くならアルバイトでも何でも雇いたいところだ。
しかし・・・・
5月の連休が終わると嘘のように暇になってしまうのが今の業界の現状。
メーカーから言わせるとうちはそれなりに忙しくやっている方だと言うが、それは儲かる忙しさではなく、大会だ作品だと言いながら私が金にならない事ばかりで走り回っているからそう見えるのだ。
誰か金になる仕事くれ~! 笑