2011/02/23
事業計画・・・・
JCの現役時代、嫌と言うほど事業計画書というものを書いてきた。
その年の役によっては書くだけではなく毎月何件もの事業計画書に目を通し、それぞれに
指示を出す事もあった。
我社でも毎月スタッフには事業計画書を提出させていたが、この頃では見る事も無くなった。
はてさて我が社はどうなっていくのだろうか?
後から後悔するのは私じゃない事だけは解っているので良いのだけど・・・
この事業計画書がきちんと書けるか書けないかというのは物事を動かしていくにあたり非常に大切な事である。
まあ計画書の話はおいておいて、最近色んな事業計画の事で相談を受けているのだけど、
どの人も事業計画書の書き方が解っていない。
いや、計画書の存在すら知らない人間も多いのかもしれない。
地方のスタジオの内装デザインを頼まれたりもしているけど、これにはイメージ画像を作って送った。
口でイメージを説明してもクライアントや施工業者それぞれの受け取り方が違えば大変な事になってしまう。
デザインやイメージをしっかり伝えるには言葉だけでは足りないのだ。
もし出来上がったものが気に入らないものだとしてもそれは施工業者だけの責任ではないと考える。
もちろん私がデザインする場合、画像を作る前に頭の中には事業計画書というものがちゃんとイメージされている。
目的は何の為なのか。
手法なんていうものはあとからいくらでも見つけることは出来るのだから、その目的がしっかりしていなければならない。
今回のクライアントや、今までこういう事で関わった人達が私の事を天才だと笑って言うが、天才でも何でもないのだ。
この事業計画書というものをしっかりと身に着けているからこそスムーズに発想というものに繋がっているに過ぎないのだ。
まあ天才には変わらないが、褒めてくれるならアーティストと呼んでもらいたいwww
先日は冬音の店長M君が訪ねてきた。
彼も事業計画のことで相談しにきたのだが、その相談すら明確ではないのだ。
まあ何時もの事だからいい加減に慣れてしまったが、ある意味珍しい人間だ。
出来る人間がM君と同じことをすれば怒鳴りつけるだろうけど、M君とうちの海スケには怒らない。
今までは自分で考える事をさせてきたが、そのチャンスをことごとく生かす事が出来ないのだから
、やってみたら? とか やってごらんよ という言葉はもう出てこない。
やれ!
ただこれだけだ。
紙を用意し、沖縄フェアと書け!
次にまだまだ寒い和寒町の皆さんに一足早く暖かな沖縄の味を提供すると書け!
沖縄のイメージで浮かんでくるものを全て書き出せ!
????M君がキョトンとしている。
お前に考えろと言えば何年も石のように固まったままだろ?
だからまずは良いから書け!
話はそれからだ。
ピンとしない様子。
じゃあ ミーバイ、グルクン。
え???何ですか???
沖縄の魚だ。
ほら何か浮かばないのか?
え~と~~~ シークワサー
それは飲み物の部類に分けて書け。
海ブドウ、もずく、ミミガー、ビーフン、パイン・・・・・・・・・etc
どうしてそんなにいっぱい出てくるんですか?
ん? 逆にどうして君は食の仕事をしているのに出てこないのかが不思議だよ。
はぁ・・・・・
じゃあ飲み物。
泡盛を牛乳で割って飲むのが地元の家庭では流行っているみたいだぞ。
酒を飲まない俺でも飲みやすかったのは屋久島の古酒だな。
牛乳なら北海道だもん、もしかしたらオリジナルのカクテルも作れるかもな。
はあ・・・・
はあじゃないっちゅうの!書け!書きまくれ! 書くんだジョー~~~~~~!
よし、次はサラリーマン、単身者向け、お一人様いらっしゃ~い企画と書け!
え??
え??じゃないの、書けば良いんだよ!
ところでM君、君に子供がいたとして、ご飯を作ってあげる時にはどんな事に気を遣う?
そうですねえ、やっぱり味ですかねえ。
だからM君の料理は包丁の先だけで作っている感じがするんだなあ。
まずは栄養を考えないか?
はぁ・・・・なるほど~~!
まあいいや、書けよ。
ターゲット、単身者 教員等
栄養のバランスを考えたお弁当を毎日提供。
一ヶ月契約と日替わりの2方向で考える。
これってどうよ?
はい、ちょっとまってください・・・・ こ れ って ど う よ。
ん????? おまえこれってどうよ?って俺がお前に聞いたんだぞ!アホかwwwwww
一通り書かせ、箇条書きにしたものを後から整理するように命じた。
そこから先程の沖縄の魚等はネットで調べたりも出来るので、そのついでに日本の南側から順に都府県の美味しいものを探しておくようにも命じた。
多分5年くらいは掛かると思うけど・・・・
以前に夏場に駐車場を使ってビヤガーデンと子供向け縁日でもやれと企画を出したが、彼が実行するまでに3年も掛かってやっと昨年実行されたのだ。
その後冬音の社長が合流。
色んな事業の事や、私自身の新しい事業の事など色々と話し込んだが、その横でM君はただ座っているだけ。
結局3時過ぎまで私が考えている今後の事業のアドバイスをしてもらったり、冬音の事業について語り合った。
M君との話の5倍くらいのスピードでポンポンアイディアが飛び出してくる。
M君に話を振ると出てきた言葉が・・・・
どうして奥山さんは写真屋さんなのにそうやって次から次へとアイディアが出てくるんですか?
おまえ、そんな事を考えながら俺に見とれてたのかよ~~!
こっちの話に参加してないよね。
君は害が無い人間だけどただそれだけだね・・・・
その後M君は社長と手を繋ぎながら闇夜に消えていった・・・・
翌日は朝から知り合いの妹が来店。
ご相談があって・・・・・
彼女は独身時代にスイスに渡り、向こうの人と結婚して数年前に家族でこちらに永住する為に
帰ってきた。
以前にも何度か仕事の企画の相談に来ていたのだけど、その企画を見た時に外国の人の目線で物事を考えているので、ちょっと企画的には難しいから方向を変えるようにアドバイスしていたのだけど、目線がズレている分企画倒れで終わるだろうなと思っていた。
今回の企画もインターネットの世界の話。
どうしたいのかを尋ねると、やはり定まっていない様子。
彼女には以前もアドバイスしているのでちょっと厳しく、ホームページという媒体自体で収入を得られるような現状ではない事を伝えたが、彼女の場合は目的はある程度はっきりしている。
それは自分の住む街をもっと広く知ってもらいたいということなのだ。
手法は街の企業に広告を募集し、それをホームページ上でイベント等と一緒にPRするというもの。
広告料金は3万円。
今は何社集まったのか聞くと、4社程度。
だろうな・・・・・
でも本人は素晴らしい事なのにどうして皆理解してくれないのだろうと逆の疑問を抱いている。
素晴らしいと思うのは自分だけじゃないのか?
作りや事業計画に当て嵌めて見ても3万も出してまで載せたいとは思わないし、今はHPもソフトがあれば自分で作れる時代だし、HPで食べていこうとしている人間が素人の俺が考えているHPデザインに負けているなら勝負にならないじゃん。
だから相談にきたんです・・・
趣味なら良いけど、仕事としてやっていくならもう少し考えなきゃいけないし、街の為になんて綺麗事言わないで自分が食べていく為を考えなきゃいけないんじゃない?
何を企んでいるか解らないし、純粋に街の為というなら街のHPは行政に任せてパートでもやって少しでも収入にした方が良いよ。
しょうがないので私が現在取り組んでいるHPのデザインを見せた。
そして試しに、前回の企画の商品を買いたいから売ってくれないか?と言ったところ、やはり企画倒れで何もやっていない状態だった。
ほらね・・・・
まあ違う手法はあるけど、そこに気付かないのであればしばらくは放っておこう。
丁度お客様が入ってきたので話はそこまでになったが、二人の子供を抱え、更にはお腹の中にもう一匹、いやいやもう一人いるという話なのだ。
もう少し現実というものをしっかりと見てもらいたいものです。