奥山陽一のコラム

2010/12/23

法人なり

 

稚内に行ってきた。

スタジオのライティングとスタッフの送別会を兼ねて、以前から事業計画にあった稚内の店舗を

法人なりさせる為に足を運んだ。

 

 



 

稚内の店舗も早いもので来年3年目を迎える。

企業としてはそろそろ結果を求められたり、新しい方向性を見出していく部分も多くなってくる 。

うちのスタッフも5年目、6年目を迎える者もいるが、常に一年生のままの状態。

 

良い意味で、常に新しい事にチャレンジしていて、初心忘れべからずの一年生というなら良いのだが、

一歩進んで五歩下がるのでは流石の私も頭を抱えてしまう。

 

稚内の店長から、何故自分の給料を削ってまで従業員を使おうとしたりするのか?

出来の悪い従業員を使って嫌にならならないのか?と聞かれた。

 

自分の給料を削ってまでという部分に関しては、銭が先と言う考えが無いし、何の為に人を雇用するのかは私自身が明確であるからだと答えた。

 

出来の悪さの部分はとっくに諦めて、嫌気を超えているから答えようが無い。

それは私が頑張る部分でもないのだ。

ただ、どこまで許すのかと言う基準はあるが、きっとその基準も超えて麻痺しているのかもしれない。

 

私は今という事ではなく数年後にどうあるべきかを考えている。

自分が住む街の情勢や人の動き、写真業界の方向性等を踏まえた上で仕事としての自分の方向性を考えて目標を定めている。

それは今に始まっている事ではなく、自分が今の会社を設立する時からの目標であり、何があってもその考えがブレた事は無い。

 

ただしブレた事は無いが、沢山失敗したり痛い目にもあって来た。

 

私は目標に向かっているうちの失敗は本当の失敗だとは思わない。

それは失敗ではなく経験だと考えている。

失敗は成功の母なのだ。

本当の失敗は、諦めて歩みを止めた時に一気に訪れるものかもしれない。

目標に向かって歩いているうちは何事も経験でしかないのだ。

 

人との出会いも色々だし、出会って自分の中に残っていく人間も変わっていくものだと感じる。

夜遊びをしていれば夜遊びの人達と出会う。

自分が志を高くすれば同じ様な志の人と自然に出会う。

 

それは男と女の間でも同じではないだろうか。

先日も彼女と別れた友人との愚痴電話でそんな話になったのだけど、私から言わせれば男と女の関係も経験の一部だと考えれば傷は浅いぞと話したのだが、最初は誰もが好きで一緒にいるところから始まるが知り合えば知り合うほどに遠くなっていく事も多いのが現実であり真実でもあるのだから、こればっかりは無理に一緒に居れるものでもないし、それこそ歩みを止めてしまう恐れが多い。

 

良くも悪くも執着心は良い結果を招くものではないし、自分の歩みを止めてしまう事の一つと言えるかもしれない。

 

まあこういう事を重たく伝えたくは無いので、軽く冗談交じりに人と話す事が多いのだけど、それが逆に明石家さんまと高田純次の次に適当な男と言われる所以かもしれないwww

 

男と女の話をしていたのではブログでは書き切れなくなってしまうので話を戻すが、稚内の店舗を法人なりさせるにあたり司法書士の先生と話をしたのだけど、資本金の話になるとビックリされた。

 

私は提示した金額が少なくてビックリされたのかと思ったが、その逆で、多いと言うのだ。

 

私が設立しようとしている会社の形態は合同会社。

 

合同会社とは、平成18年施行の会社法により新しく設けられた会社形態なのだけど、

旧来の株式会社および有限会社を統合した株式会社と、合名会社・合資会社および新設の合同会社を包含する持分会社という2種類の会社類型が認められるようになったのだ。

 

社員1名から設立が可能・全員が有限責任・設立に際する諸費用が安い・最低資本金の規定がないという点から、有限会社に変わる法人形態として、会社法改正より年間平均5,000社~6,000社が新たに設立され、2009年初頭には18,000社が登記されています。

さらに法人も社員になれるところから、企業間での共同事業・大学と企業の共同研究の場(いわゆる産学協同)・プロジェクト事業・ベンチャー事業などに際しても数多く設立され、今後、個人レベルから企業レベルまで、ますます設立件数は増加すると言われている。

 

以前からこの形態に目を付けていたのだけど、株式にするよりは設立に掛かる経費や税法を考えると合同会社のメリットの方が今の私の身の丈にあった事業だと考えている。

早く言えば世間で耳にする1円会社と言えば解りやすいだろうか・・・・

 

1円会社を本当に1円から始めようとも考えていた。

後々従業員に仕事に対しての責任感ややる気を持たせるために自分達で会社に投資させるつもりでいた。

 

更には私自身の方向性や、目標を達成していく為には一日でも早くこの会社の代表を退き次にバトンを渡したいという気持が年々強くなってきている。

 

自分で言うのも何だが、私の存在が大きくて私に頼る部分が多すぎるのも個人の成長を妨げる事の原因の一つだと考えている。

だからこそ自分達で会社に投資をし、投資をした資産価値を自分達で高めていけば良いと思っている。

 

それを司法書士に話したところ、先生は単に税金対策の為だけの法人なりだと思っていたらしく、

本当に1円で法人なりさせるつもりだったらしいのだ。

しかし私の考えで運営していくのなら、1円では今後の分配が困るので分配出来る金額にしようと話すと、先生も同じ考えという事で、最初に提示した資本金を取り下げてもらい、なんと!1万円で合同会社を設立してしまったのだ。

 

今は私個人で一万円だが、明日にでも有限会社スタジオ夢物語としてもいくらか出資しようと考えている。

合同会社は代表取締役社長ではなく、代表社員と呼ばれるのだが、 スタッフの事を指す社員とは違い、出資をしたものだけがその社員となれるのだ。

それ以外は従業員という。

出資は個人だけではなく、法人も出資出来るので、夢物語ごと この合同会社の運営に参加させようと考えている。

 

 

もちろん税金対策としては当たり前の事だが、それだけだと数年後には何の意味も無い会社になってしまう。

 

よくある幽霊会社に成りかねないのだ。

 

最初は100万円くらいで設立しようと考えたが、稚内の店舗は個人経営なので私は給料を取る事が出来ずにいるし、わずかな利益分をそのまま資本金に充てて、私が個人的に出資しようと考えていたが、今年は私の年当初の事業計画等もスタッフによって途中で流されてしまったりもしたので、責任を持たせるためにも利益を繰り越す事をやめてその分をお歳暮や年始の挨拶周りや研究会参加への資金に充てようと考えている。

 

利益を上げれる為の計画を立て、それがスタッフの動向で断念するのであれば、私一人が悔やむ必要は無いのだ。

業績が上がらなければ給与の引き下げ、リストラ、事業方針の見直し等、スタッフにもきちんと責任を持たせる事も必要だと考える。

 

新年度に向かって法人なりするというのはそういう意味も含め、従業員にも平等のチャンスを与える事だと考えている。

 

そのチャンスに気付かないものはこの先も上がり目はないだろう。

 

私も年齢を考えると、そろそろ自分の目標の為に動かなくてはならないのだ。

いや、今やらなければきっとこの先動けなくなってしまうかもしれない。

 

いざとなれば会社というものに未練は無いし、社長なんてものにも興味は無いのだから最終的には会社を解散させて一人に戻って一から始めれば良いだけの話なのだ。

 

会社が写真を写すのではなく、奥山陽一という一人の人間がお客様の為に写真を写す行為は

この先も変わらないのだから・・・・・

 

ということで稚内の毛利写真館は新年度より「合同会社毛利写真館」として新たなスタートをきりますので今後とも宜しくお願い致します。

その後は、店長か海彦が会社に投資をして私の社長の座を追いやってくれるらしいので楽しみにしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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