奥山陽一のコラム

2010/09/02

撮影会in帯広

 

昨日から写真研究会の北営協の企画で撮影会が開催されたので帯広まで行ってきました。

行きに事故の為高速を途中で降ろされたが、朝のためか殆ど車もなかったので、久々に爆走。

 

?? 久々にって、つい最近何度も久々と言っているようないないような・・・・



士別からハプニングで高速を降ろされた割に、帯広まで2時間くらいで着く事が出来た。

 

しかし、市内に入ってから会場を探すのに一苦労。

 

会長に電話で聞くものの、あの口調で(会長を知っている人はイメージできるだろうw)

「う~んとねぇ~~、駅の南の方なんだよね~~~・・・」

「会長!南って言われても・・・・」

「だよねぇwww、説明がし難いんだよねぇ~~~~~~」

「解った!時間的に太陽の方に向けば良いんだよね?自力で探します」

「うんそうそう、太陽の方だね・・・」

 

ほんとかよ!?

 

そんなこんなで何とか辿り着き、皆さんと合流。

 

あれ?随分少なくない?

 

私とフジフイルムの担当者を入れても6人。

 

モデルとマネージャーを入れても9人。

 

企画委員のS君がポツリ・・・・

 

「自覚と意識の問題だよな~」

 

ほんとその通りだ。

 

来週には東京に飛ばなくてはならない事もあり今回は欠席しようか悩んでいたが、参加者が少ないし、うるさい男が居ないと寂しいじゃんと言われ、更には今回同じ旭川ブロックから高齢のYさんも頑張って参加してくれると聞き、東京の為に出来るだけ経費もかけたくは無かったが、お客様の予約を一件ずらして頂き参加する事にした。

 

私:  「俺達の何倍も勉強しなきゃいけない奴らに限ってどうして積極的に学ぼうとしないんだべな?」

 

S君: 「ほんとだよ自覚が足りないんだって」

 

Yさん: 「だから知らないうちに差が出来てくるんだし、こんな御時世だから皆商売に大変だからしょうがないのかもしれないぞ」

 

F君: 「俺と奥山さんなんか夏から出っ放しだよな」

 

私: 「バカ Fは金銭的に余裕があるじゃん、俺なんか一番貧乏だぞ、でも金なんか後に付いて来れば良いんだって! 人から何か得たり感じたりする事が俺達が飯を食う為に繋がるんじゃないのか」

 

会長: 「まあ まあ ~~  今日は皆で楽しもうよ」

 

一同納得。

 

早速撮影のグループ分けをし、私と会長がペアになった。

 

モデルさんは春に高校を卒業したばかりで、いかにも会長好み。

私にはどうでも良い話だが、道内の4本のコマーシャルに出演している売れっ子らしい。

 

何度か写真屋の撮影会に参加しているのだけど、営業写真家のモデル撮影の扱いは下手くそが多い。

撮影会というものが解っていない。

 

時間でマネージメントされ、更には高額なモデル料を支払う。

更には一人のモデルに対してカメラマンがハイエナの様に群がる。

瞬時にして人と違う角度を探したり、カメラマンが前へ前へ出て行かなくては人より良い写真は出来ないのだ。

撮影会は下手すると皆が同じに写真に見えてしまう。

 

営業写真家達は撮影会の経験が少ない。

 

普段はお客様をじっくり撮影させて頂いているので、その癖が抜けないのかシャッターを切るスピードも動きも、指示を出すのも全てが遅い。

 

今回は会長と一緒なので、どんな撮影をするのか楽しみにしながら、先を譲りながら歩いた。

 

「僕に構わずドンドンやってください。僕はいつでも何処からでもいきたい時にいきますから」

 

カメラを構える会長。

 

光の場所を見つけては指示を出す。

 

私は後ろからモデルの様子をうかがう。

 

ふとある事に気付いた。

 

足のポーズが下手くそで格好悪いのだ。

 

立ちポーズでも足が棒立ちで更には内股。

 

会長は全身を写しているのかどうかは知らないが、その事には触れずに写している。

 

私はすかさず、モデルに指示を出す。

 

「君の場合、足が内側を向く癖があるみたいだけど、良い女になりたければ綺麗に見せてごらん。

少し足の指先を外に向けると全体的にバランスが良くなるよ。

手、足、ケツ! ちゃんと女を意識出来るようになればもっと良いモデルに化けるぞ」

 

モデルでも撮影会の経験は浅いそうで、テレビコマーシャルのような動画撮りの場合は常に動き回っているので気にならないが、写真の場合はその瞬間がずっとその時のまま残ってしまう。

 

勉強会等でも言うのだけど、今の若い奴らの撮り方を否定しているわけでは無いが、私たちはポーズを着けるところから始まりお金を頂戴しているのだ。

ただお任せに動き回っている姿をバシャバシャ写しても、やはり細かいところを意識して写すのとでは格段の差が生まれる。

 

会長が撮影している隙間を縫って私もカメラを向けた。

一度きちんと見極めたら、後は撮影に集中出来る。

モデルのレベルを見て、今回はモデルを動かすのではなく、自分で動き回る撮影に切り替えた。

 

これも今は亡き清水の教えの一つでもある。

 

右からも左からも、前からも後ろから、下から上からも・・・・

 

これが本当の連写なのだ。

 

会長がワンポーズ撮る間に連写をかまして、私の目線は次のポイント探し。

ピーカンの真昼間、それも気温は34℃を超えている。

どうやってもロケには向かない。

 

自然と足が木陰を求め、木漏れ日を探しながらの撮影になる。

 

公園の中を汗だくになりながら歩き回り、とりあえずはランチタイム。

 

軽くお昼を済ませ、予定では会長のスタジオに移動しての撮影でしたが、参加者の数名がもう一枚だけ撮らせて欲しいとの事、30分くらい時間をとり再開。

 

もう一人のモデルさんが目に入ってきた?

 

あれ?

 

この子良いんじゃない?

 

「ごめん、最後に二人でそこに並んでくれる?  笑顔はいらないからちょっと鋭い目をしてみてよ」

 

うん、やっぱり!

 

私の写真の方向から、もう一人のモデルの方がシックリきそうだ。

 

スタジオに入り、私は皆が休憩している間にトットとスタジオの準備を済ませ戦闘準備。

 

今度はモデルさんを交代するということだったので好都合。

 

移動中にイメージは出来ていた。

 

他人のスタジオは難しい。

 

でも自分のイメージさえしっかりしていればそんな事は関係な~~い!

 

皆がお茶を飲んでいるうちにモデルに注文をつけ一言。

 

「君はドMでしょ?」

 

一同噴出しそうにしながら唖然。

 

「はいドMですよw」 と笑いながら答えてくれた。

 

「だろうな、モデルも一流になればなる程ドMなんだよ。 君も良いモデルになると思うよ」

 

「私はどちらかといえば変態ですからwwww」

 

私のいつものセリフを先に言われてしまった。

 

悩むことは無い、さすがに同じ変態同士、シャッターのタイミングがどれもドンピシャリ。

 

一気に私の撮りたい雰囲気に入り込んでくる。

楽でしょうがない。

わずか10分程で手応えを十分に感じ、撮影を終えた。

 

???

 

あれ??

 

お前達! ・・・・

 

おまけに一番高齢なYさんまで・・・

 

 

私がせっかく苦労して作ったライティングをそのまま使って、同じようなポーズで撮りだしているではないか・・・・

 

「いやあ、流石だなと思ってさあwwww もっと良いもの撮ってやるよwww」

 

wwwwじゃねぇっつうの!

 

まあ撮影会だからしゃあないか。

 

その後其々に撮影を楽しみながらこの撮影会を終えた。

 

 

その後ホテルにチェックインをし、直礼の会場へ。

 

座敷に通されると・・・・

 

??

 

懐かしい顔がそこにあった。

 

私が二十歳そこそこで入会した時に、強烈な雰囲気を醸し出していたSさんが居るではないか。

 

全盛期の北営協で、私がまだ正座で先輩達の話を聞くくらいのペーペーの頃から目をつけられ、

いやいや、可愛がってもらい、通訳が必要なくらいの毒舌ぶりに流石の私もタジタジだったのを思い出す。

 

毒舌でも正論だから手がつけられない。

 

写真に対する思いは私と共通する部分がある為か、逆にSさんとは宴会の席でも写真の話を真面目にした事がなかった。

 

バーカという言葉が口癖のSさん。

 

いつも宴会では隣同士になる事が多く、誰かが真面目そうに写真を語っていると、聞こえないようにしながら ことごとくその話に対して バーカ を連発。

 

営業写真が真実を写しているわけないだろ バーカ

 

バーカお前なあ・・・

 

バーカ・・・ バーカ・・・・・

 

そしてバカを連発しながら消えていった・・・・

 

10年以上振りに会ったSさん。

 

変わっていない毒舌振りで先に着いていた会長と話をしている。

 

私の顔を見るなり・・・

 

「お前どうしたの?なにすっかり丸くなっちゃってるわけ?

俺なんか大人になる事を辞めた!って宣言してから何も変わらずガンガンやってるんだぜ!バーカ」

 

懐かしい~~w

 

「バーカってバカだね~、久しぶりとか言えないわけ?」

 

「バーカ! だから俺は大人になるのを辞めたんだってば、ほんと久しぶりだよな、元気にしてたか?」

 

バーカと言いながら笑顔で握手。

 

困った人だ。

 

会場はまるでSさんの講演会。

 

会長も苦笑いしながら聞いている。

 

いつもは負けず嫌いの網走のS君も口を返せない状態で黙って聞いている。

 

でも内容は無いようで、そこがなかなか確信をついてくる。

 

独特な口調で毒舌を振りまいているSさんだが、この人も今の北営協には必要な人。

 

来年は旭川大会だから出てきてほしいと言うと、「バーカ俺に講師やらせろ!てめえら写真を舐めてんじゃねえって言ってやる。 いや、講師とやり合わせろ俺がてめえらバカかって言ってやる」

 

いやいや困った人だ。

私も言いたい事だけど、この人なら本気でこのままの口調で言ってしまうだろう。

 

「他の団体にも属していたけど、喜ばれる写真を写しましょうなんて事をこの業界が言い出してから、写真を本気で語る奴らが居なくなった。

だから俺は全部切ったけど、この北営協だけは別なんだよ。俺を形成してくれた会だからどんな形にでも自分からは切らない」

 

「俺も同じだよ。 俺は北営協に育ててもらったんだから、他の組織がどうであれ、この会の為にいつか立ち上がるよ。 だからグチャグチャ言ってなくて良いからSさんも出てきて爆弾落としてくれりゃあいいんだよ!

でも、自分から切らなくても切られるって事もあるんだからねwwww」

 

最後に仕返ししてやったw

 

その後Sさんの馴染みの店に強制連行され、いきなりジャズの生バンドの演奏を撮って来いとカメラを持たされた。

モノクロフイルムが入っている懐かしい形のカメラ、ピントを合わせるだけでも一苦労。

Sさんの命令ならしょうがない、ステージに近付きシャッターを切る。

 

・・・・懐かしい感触。

デジタルには無い感触だ。

 

ドンドン入り込んでいきそうになる。

 

思いっきり寄ってシャッターを切りまくった。

 

演奏が終わって席に戻ると、皆が笑っている。

 

「バーカ、お前 俺でさえあそこまで寄った事無いぞ! でもお前のそういう所が良いんだよ。

なかなか良い線行ってたぞ。」

 

そう言いながらSさんもカメラ片手にステージに・・・・

 

私より近付いて行くではないか。

 

私にその後姿を見せ付けるように・・・・

 

言葉はいらない。

 

無言で私に何かを教えてくれているのが伝わる。

 

再度私の手にカメラが渡ってきた。

 

今度は上から、下から・・・・・

 

黒人のサックス演奏者のポスターを見付けた、よしあのポスターをパクッてやろう。

 

同じ絵柄になるように椅子のうえに登ったりしながら写してみた。

 

またまた皆が笑っている。

 

私に何かを伝えようとしてくれている。

だからそれに応えようとするだけの事。

 

「お前を否定することは、お前を認めているからだし、お前は人の何倍も行動力もある。

だからまだまだ伸びていく。

お前と知り合って20年以上経つけど、初めて真面目に写真の話をしたよな。楽しかったぞ」と言われた。

 

バカバカしか言われていないような気もするが・・・・w

 

それは冗談としても、写真の話には言葉が無くても会話が成り立つ事が多々あるのだ。

 

まあ言葉のない会話が出来るのは私クラスの極一部の人間だけなのだけど・・・爆

 

今回の撮影会では思わぬ所で良い勉強をさせて頂く事が出来た。

それも普段の北営協では得られないものかもしれない。

 

カメラマンによって全てが違う。

違って当たり前。

全ての事をどう自分に生かしていくのかは其々の意識の問題であり、損得も関係無ければ人の受け取り方など全く関係ない。

 

Sさんの毒舌が下品で嫌な人もいるかもしれないが、そこで終わればそれまで。

でも愛の有る毒舌は深いのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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