奥山陽一のコラム

2010/08/31

24時間テレビ

 

先日、毎年恒例の24時間テレビを所々だけど見ていた。

私もJCの現役時代に副理事長をやっていた頃、担当委員長と24時間テレビに協賛して士別でも何かやろうぜという話になり、24時間ミニバレーボール大会を手掛けた事があり、毎年テレビを見る度に懐かしく感じて当時の事を思い出す。



 

準備に半年を掛け、その間反対派の先輩達を説得したり、テレビ局に掛け合ったり、大変な思いをしながらやり通した事を思い出す。

準備が進むにつれ協力者も増えていき、無償でポスターを作ってくれる人が現れたり、夜の街のママさん、マスター達が募金箱を作ってお店ごとに協力してくれたり、出店や、炊き出し等にも協力してくれたり・・・・

当時議員だった今の市長にもお願いして議員さん達もチームを作って参加してくれるまでになった。

 

私も夜通し、ミニバレーなどやったことも無かったけど13試合に出てヘロヘロになった事を思い出す。

 

最後のフィナーレでは野外に巨大なスクリーンを用意してテレビの中継をそのまま映し出し、参加者全員でサライを大合唱。

終了後担当委員長と二人で大泣きしながら抱き合い、それを見ている周りも涙を流していた。

 

長い準備期間の中で皆で壁を乗り越えたり、多くの人と関わることで感動が生まれる。

確かに大変な事業で、最初は反対派の方が多かったけど最後は皆が肩を抱き合い一つになれた。

 

7年経った今でも色あせることのない良い思い出だし、チャンスがあればもう一度チャレンジしてみたいと思う。

 

まあそんな青春時代のような良き思い出とリンクしながら毎年時間があれば見ているのだけど、

年々疑問に思う事がある。

 

年をとる度に涙腺が緩んできているのか、ハンディを背負って頑張っている人達の姿を見るとウルウルしたり、病気と闘った子達のドラマなんかを見ていると鼻水ジュルジュルになってしまう。

 

戦争の事もそうだし、こうやって頑張っている人達のドキュメンタリー番組をドンドン放送してもらいたいと思っている。

どんな人間でも何かを感じ、何かを考えるはずだし、考えなければならないと思う。

 

でもそれは、可哀想とか哀れみに思う気持ではいけないのであり、其々が生きている環境の中で今を必至に頑張って生きていく事を考えたり、命の平等を感じる事である。

 

しかし!

 

いったい何なんだ??

 

ウルウルしながら、自分を反省したり頑張らなきゃなあなんて浸っているのに・・・・

 

いきなり芸人のアホ面かよ。

 

ついついイラッとしてしまう。

 

弁えろよ!バカたれ! ついついつまらなくなってチャンネルを変ええしまう。

 

普段は別に気にならないし、お笑い番組も見るには見るが、なぜここでお笑いなのかが解らない。

 

見ていて面白かったのが司会の徳光さんが相当イライラしているのが手に取るように解った。

 

さすが生放送、徳光さんのブツブツ言ってる愚痴をカットすることは出来ない。

いや、徳光さんの気持が良く解る。

 

芸人の出川やタレントがお笑い番組と同じノリで、東京湾で獲れた魚を食べるシーンがあったが、

徳光さん 「こっちは何も食べずに頑張ってるんだよ!」 とポツリ。

 

はたまた船で絶滅危惧とされているスナメリを探すシーンでは、趣旨がヅレまくってはしゃいでいる姿に、またまた徳光さん・・・

「今はスナメリを探してるんだろ?チッ!」

 

徳さん怒ってる、怒ってる・・・・

 

でも気持は良く解る。

 

テレビ局としては視聴率を稼がなければならないのも解るのだけど、番組の趣旨は一体何処に行ってしまうんだろう。

 

ありがとう という感謝の気持が今年のテーマだったけど、何でもかんでもありがとうという言葉に無理やりこじつけようとするのはどうなんだろう。

 

感謝ってそんなもんじゃねえだろ?

 

チャリティーってなんだろ?

 

勇気ってなんだろ?

 

善意ってなんだろ?

 

今年は2億円以上の募金が集まったらしいけど、どこまでが善意なのだろうか?

 

金額と視聴率を稼ぐ為の製作ならちょっと方向が違うのではないだろうか?

 

もちろん、本当に気持があって1円玉や5円玉をコツコツと貯めて会場に足を運んでいる人達が大勢居ると思う。

私も小学生の頃、24時間テレビを見て一年間小銭を貯めて親に頼んでテレビ局まで連れて行ってもらった記憶がある。

 

士別に来てからも、隣町の名寄でもJCや大学生達が毎年24時間テレビに賛同して色々イベントを開催したりしているので応援に行った事もあるが、皆一生懸命頑張っている。

そんな姿を見て、自分達も頑張ってみようという気持になり、士別でもやってみたのだ。

 

でも何故に芸人?

 

徳光さんの呆れ顔も良く解る。

 

番組の最後の方で東京湾から戻ってきた出川達が出てきたが、マイクを向けて話を聞こうとした瞬間に、出川がいつものやかましい口調で喋りだそうとした瞬間、徳光さんが出川の前に手を差し出して静止させ、違う人にマイクを向けたシーンがあったのだけど、思わず噴出しそうになった。

 

良いぞ徳さん! 

 

真剣だからこそ、伝えたいからこそ、徳さんも腹が立つのだと思う。

 

普通ならそこで空気を読めば良いのに出川は本当に解らない奴だ。

 

私が製作側なら、しっかりと打ち合わせの段階で、芸人達を集めて、芸人も生きることに一生懸命だったり、普段の顔とは違う真剣な表情を追いたいから、そこを理解して演じてもらいたい。

見ている者を感動させろ! というような事を訴えるだろう。

 

せっかくの良い番組もアホ面のお陰で感動が減ってしまっては意味がなくなってしまう。

 

芸人で時間を稼ぎ、アイドルやなんかを呼ばなければ人々が賛同しないのであれば悲しい事だと思う。

もちろん本当にそんなもの関係なしに頑張っている人達がたくさん居るし、それだから成り立っていけるのだから尚更製作側がもっと考えて欲しいと思うのです。

 

 

 

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