奥山陽一のコラム

2010/06/22

音のつながり

 

先日久しぶりに心地の良い音を出す女の子に出会った。

楽器や音楽等の音の話ではなく、身体から出る音の話なのだけど、

人から出る音にはどんな音があるか想像していただきたい。



 

足音や物を扱う時の音、笑い声なんかも当てはまるかもしれない。

 

私は特に女性の足音や物を扱う音には煩いかもしれない。

うちのスタッフにも注意をする事があるのだけど、足音や物を扱う時の音を聞くだけで

色んな物が見えてくるし、性格や仕事ぶりも大体は見えてしまうのだ。

 

男と女の間でもこの身体から出る音というのは大切な関わりを持っていると思っている。

 

世の男性が嫌がる女性の音には、ヒステリックな甲高い声なんかを聞くと顔をしかめて耳を覆いたくなってしまうくらい、雑音以上に嫌な音の一つかもしれない。

 

逆にドラマ等で音だけを聞かせてから映像に移っていくシーンがある。

例えば、真っ白な画面の奥でまな板を包丁でトントンやっている音。

日本の朝食、おふくろさん、味噌汁の味・・・

音だけで色んな事を想像できるとは思わないだろうか?

これが共感とか共鳴というものに繋がるのだと思っている。

 

でも今はそいう心地よい音も失われつつあるのではないだろうか。

ママは多く、おふくろさんやおっかさんは少なくなってしまったように思えるのは私だけだろうか・・・

 

 

 

足音もそう、重くドタドタと足音を立てて歩かれたら女性としての優しさや品格を疑ってしまう。

 

物を扱う音もそう、仕事場に於いては姿が見えなくとも離れた所からでも嫌な音が聞こえてくると気になってしょうがなくなる。

スタジオの機材なんかを雑に扱われて、もし何かあればたまったもんじゃない。

機材の寿命も私の寿命も縮まってしまうではないか。

 

 

身体から出る音というのは私の仕事や物作りに於いては物凄く関わりが深く、繊細な作業に於いてもスタッフ達の仕上がりを見る前から予想が出来るし、その人間の成長ぶりも予想が出来る。

 

そんな話の中、ブライダルの撮影でお邪魔したレストランで私の言う良い音を出している子に出会った。

しばらく様子を見ていると、仕事の流れや接客態度、全てにおいて周りのスタッフとは遥かに違うレベルなのだ。

そういう子の笑顔は作り笑いなのか滲み出る笑顔なのか一目瞭然である。

 

ちょっとだけ手を差し出してあげれば自分から変わっていけるものを持っているのだけど、

残念ながらまだ彼女自身はそれに気付いていないというか、気付かせてくれる環境に居ない感じで、非情に勿体無いなあと思って見ていたけど、磨けば光ると思い、直ぐにその子の上司を通してモデルをお願いした。

 

返事は直ぐにOK!

 

写真は苦手らしいのだけど、やってみたいと言ってくれた。

 

私は最近、作品からその人の関わりのある音が聞こえるような作品が出来たら良いなと考えている。

人間対人間の勝負・・・・

実におもしろい。

 

モデルさんを選ぶ目線も少し変わってきているし、判断も早くなってきたと自負している。

作品に関してはモデル選びで8割がた勝負はついてしまう。

 

見た目綺麗な女性は山ほど居る、でもその中で良い音を出す人間は少ないかもしれない。

確かに好みの問題もあるのだろうけど、私とモデルさんとの繋がりだけでは大きな舞台では勝負出来ないのだ。

第三者、第四者達の目線までも考えなければ日本のトップ達とは戦えない。

だから自分自身も見る目を養っていかなくてはならない。

その辺は今まで培ってきた事が役に立つと言えるかもしれない www

 

共感、共鳴・・・・

 

そこには 「音」 という要素が非情に重要であると考える。

 

 

聞いて心地の良い音・・・・

 

見て心地の良い音・・・・

 

今までの私とはまた違う領域に足を踏み入れてしまった・・・・

 

それでも新たな挑戦をしていきたいと考える。

 

そう考えるとゾクゾクしてしまう。

 

ドMかよ w  (本人至ってドSです)

 

人からはよく無謀なチャレンジャーと言われるけど、挑戦を諦めたら自分ではなくなってしまう。

挑戦し続けてきたから今の自分があるのだ。

 

彼女の出す音を自分がどこまで響かせることができるのだろうか・・・・

イメージが広がる。

 

今から撮影が楽しみです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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