奥山陽一のコラム

2010/02/28

面接

 

昨年から面接希望者の問い合わせが増えている。

過去の日記にも度々我が社の面接の様子も載せているので内容は省くけど、

今年に入ってからも数人の面接を行っている。



 

つい最近も某専門学校からの依頼で数人の面接を行った。

 

私の欲しい人材ははっきりとしている。

 

技術は後からゆっくりと着いてくるものであり、生涯勉強であると思っている。

私が今この会社の中で必要としているのは技術より笑顔なのだ。

 

来てくれるお客様に気持ちよく過ごして頂き、気持ちよく帰って頂ける店作り。

元気で活気ある店作りが会社そのものの発展にも繋がるのだ。

 

今現在居るスタッフに対しても日々その事を強く伝え続けている。

 

そんな中、千歳のハローワークから連絡があり、面接希望者を紹介したいというのだ。

 

千歳??

 

話を聞くとJALの子会社に勤務しているというのだ。

 

JAL??

 

世の男性諸君!JALといえば何を想像するのだろう?

 

真っ先に想像するのは・・・・・・

 

 

 

 

すまん!残念ながらスッチーではない。

 

それにしても何故故にJALから?

 

まあその子会社とは言えどもいきなりビックリするではないか。

 

とりあえず、ハローワークの職員と話していてもしょうがないので、すぐに来れる距離でもないし、電話でやり取りさせてもらえるようにお願いをした。

 

その夜、本人から電話があり色々と話をさせてもらった。

 

緊張しているせいか、ところどころの敬語に無理があって、そこが人間らしくて笑えた。

 

もちろん面接に来る子達は当たり前に敬語を使うけど、身に着いている言葉なのかそうではないのかくらいは3秒もあれば見破れる。

まして仕事をさせる事、人前に立たせる事すら危険だと思う子でも、チャンスは平等に与えてあげたいと思い、本人を信じるのではなく、その言葉を尊重するようにしてきた。

 

それは私自身が何かあれば対処出来る範囲であり、裏方でも良いから仕事を与える事で生きる道を見失っている子にも何かの気付きになれば良いと思っての事であり、そいう子達に接する事もスタッフの勉強にもなると考えていた。

 

しかしそれは会社の発展とはまた一つ違う要素でもあり、時として裏切られる事の方が多いのだ。

 

それが解っていてチャンスを与える。

ドSもドMも超えて H な世界。

Hはエッチではなく へ ん た い  のHであるw

 

ここまでくればお前は変体か~~~と周りからも笑われる。

 

でもバリバリに出来る子が入ってきたら、うちのスタッフ達が逆に困ってしまうだろう。

いやいや私の社長としての椅子も危うくなってしまうかもしれないじゃないかと笑い返す。

 

まあでも、自分でもそろそろお疲れモードに成りつつある事も解ってはいるのだ。

 

話は戻るが、昨日そのJALの子が面接に来た。

 

167cm

 

デカイんだろうなあと想像していたけど、愛想の良さと動きの良さのせいか小柄な私から見ても然程大きくは感じない。

 

ただ身体の大きさの割には線が細いというか弱いというか・・・・

 

それはスタイルの話ではなく生命線の方の線なのだけど、本人が何を迷って生きているのかが解らないけど、表向きの笑顔からは普通の人から見れば想像できない位に弱い子かもしれないというのが第一印象だった。

 

良く言えば 繊細、謙虚、純粋 という言葉が当てはまるのかもしれないけど、結構そのあたりで損をしてしまうかもしれない。

 

きっと自分が信頼できる人に出会って、背中をポンと押してもらうと少しずつ前に出て行けるタイプかもしれないが、残念ながら大手の企業で働いて来た分、そういう風に心底ぶつかっていける人間に出会えるのは少ないのかもしれない。

 

大手だから色んな人間と出会えるかも知れないけど、その分サラリとしている付き合いの方が多くて、自分の人生まで変えてくれるような人間と人間とのガチンコ勝負が出来る出会いは少ないと思う。

 

だから サラリーマンというのではないだろうかw

 

 

私は幸いにも清水正之というガチンコ勝負が出来る先生と出会えたから今の自分があるのだ。

 

ただ、JALには自分で気付いていない魅力があるのです。

 

それは今の私が自分の会社の方向を考え、これからの店作りに対してスタッフにも課題として与えている事に一番近い要素を既に持ち合わせているということなのです。

 

既に持ち合わせているということは、私自身がその部分に対して精神的に疲れなくて良いということと上に昇っていく事の課題を与えて行くなかで周りのスタッフ達にも良い刺激を与える事になるし、私一人で与える刺激より会社にとっても更に良い刺激になるのです。

 

JALには周りと比べる必要もないし、自分に与えられたやるべき課題を自分でコツコツとクリアしていけば良いと伝えました。

その中で自分の生きていく方向をゆっくりと模索していけば良いのです。

 

 

技術が身に付くか付かないかは、最終的には心なのです。

 

 

教えを乞う事の心を養う事で自然と技術は高まっていくものなのです。

 

 

そう信じて清水との師弟関係の中で写真をやってきた自分ですが、それが確かなものなのかどうなのかという結果など未だに解らないのが現実です。

死ぬまで解らないかもしれません。

でもそれで良いのです。

解らないからチャレンジャーでいれるのです。

 

清水正之が亡くなるその時に言ってくれた言葉を思い出します。

 

写真はまだまだだけど、お前ならクリアしていけるだろう。

それよりも、その若さで俺の大切にしてきた写真の心根の部分が成長してくれた。

この事が嬉しくてしょうがない。

あんなヤンチャだったお前が良くここまで俺の元で辛抱しながら育ってくれたなぁ。

俺はいつ死んでも悔いはない・・・・・

 

いつも厳しかった先生が心底優しい言葉をかけてくれた最初で最後の言葉かもしれません。

 

JALのように、自分がゼロになって新たなスタートを切る事に臆病になっている目をみていると自分がヤンチャなところから180度違うこの写真の世界でスタートを切った時の事を懐かしく思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奥山陽一のコラム
このページの一番上へ