2010/02/17
サービスエース
タイトルにある「サービスエース」
これはバレーやテニスのサービスエースの話ではなく、HTBテレビに所属しているバンドの名前。
HTBの深夜の天気予報や夢チカなどを見ているとノリの良い曲が流れてくるのを耳にしたことは
ないだろうか? TOYOTAのスノーボードの大会なんかでもテーマソングで流れているのだけど、
そのサービスエースのボーカルのRYOSUKE君がひょっこり顔を出してくれた。
出会いの話は長くなるので端折るが、彼の年齢は27歳。
細身でテレビで見るより顔が白い。
まあ確かにバンドマンがポッコリお腹で色黒だったらビジュアル的にはよくないのかもしれないけど、
身体には気をつけろよ!とついつい声を掛けたくなってしまう。
そんなRYOSUKE君と色々と話をさせてもらったのだけど、音楽の世界も写真の世界も目標を持って
上を目指していくと話が繋がってくる。
音楽だけではなく、これが画家でも版画家でも書道家でも同じなのです。
「新しいCDを聞かせてもらったけど、聞いた途端に、あっ!サービスエースだって解ったよ」
「え?そうですか?・・・」
「自分で作詞作曲とかしてるの?」
「はい そうです」
「だからだね・・・オリジナルでやっていくと感覚が身体に染込んでいるというか、メロディーが同じ調子を辿っていくと思わない?」
「そうそう、そうなんですよ」
「な?そうだよな・・・・でもこれって二通りの考え方が出来るんだけど、聞いた途端にこの曲はサービスエースの曲だと解ってもらえるところまできたっていう良い面と、作り手にとってはこれが壁になっているという二面性があるんじゃないかと思うんだ」
「そうなんですよ、曲を聴いてもらった途端に僕たちだって解ってもらえるところまで来るのが、まずは第一段階の目標なんです。
そこから抜け出せるかどうかが次の壁なんですよ」
「そうそう、そうなんだよなあ、俺の世界も同じで、俺の場合は写真屋の写真って何処に行っても皆同じにしか見えなくてさあ、若い頃は大嫌いだったんだ。
それで作品作りの方に走ったんだけど、ガラスの女シリーズを考えた時に最初は見る側の人間を
おっ!? っていう感じにさせるんだけど、二年、三年と撮り続けていくと誰が見てもこれは奥山の作品だって解るわけよ。
でも、そこからなんだよな~・・・・最初は他のカメラマンとは一線を引く自分だけのオリジナルを作りたい、見た瞬間にこれは奥山の作品だって解るような自分の世界を作りたいなんて事に必死だったけど、必死になるがゆえにそこから抜け出せなくなる自分が居るわけよ。
壁 壁 壁 の連続だよな」
「いやあそうなんですよ。僕もそこでもがいているんです。
ここまで来たかあっていう思いもあったけど、じゃあここからどう進化していけば良いんだろうって思うと、そこが壁なんですよね」
「そなんだよなあ・・・でもさ、一度封印して違う世界を見てみるのも良いと思うんだ。
例えばロックと演歌とかロックとクラッシックなんかが融合するとどうなるんだろうとかね。
俺は絵を描く人と出会ったり版画家と出会ったり、こうやって音楽をやっている人と出会ったり、その中で写真と結びつけながら自分の写したい絵を探したりしてるんだ。」
「それは刺激になりますねえ・・・・僕は外の刺激をライブに求めています。
もしかしたら最初で最後の出会いになるかもしれない、だから限られた時間の中で自分達をどう表現してその一瞬を楽しんでもらえるか、来て良かったなあって思ってもらえるように最善の努力をしようって常にその気持ちだけは忘れずにいたいと思っています」
「そっかあ、その気持ちって大事だよな。 俺の世界も同じだよ。
一生に一度の今の瞬間を形に残す仕事でもあるわけだから、どうやって伝えるか、どうやって引き出すか、そしてどのタイミングでシャッターを押すか・・・・俺の写す写真もお客様とのライブだと思ってるよ。 気持ちよく来て頂き、気持ち良く帰って頂く。
これは絶対の物でなければならないし、写されている時も思い出の一つとしてお客様の記憶に残って
ほしいと思うから、自分自身が真のカメラマンを演じていかなければならないしね」
「感動です。今度是非ライブ見に来てください。 僕らのライブを自由に撮影してもらいたいです」
「良いねえ!今度見に行くよ。 まあ若い子の中にオッサンがカメラ持って走り回ってたら怪しいオッサンにしか見えないかもしれないけど、ガチンコ勝負してみたいねえ・・・」
「また遊びに来て良いですか?」
「また来てよ!今日はたくさん元気をもらったよ。 ありがとう・・・・・」
彼との会話で感じたのだけど、目標を持って突き進んでいる人は話をしていてもしっかり自分を持っているし、思いがブレない。
そして伝える事の表現能力に長けているような気がする。
会話をしていても、感性に乏しかったり伝えるという表現が乏しいと、片言の言葉で話す子供を相手にするように余計に頭を使うから疲れてしまうのだけど、自己表現が出来る人と話をしていると飽きないし、ワクワクもするし、期待感の中に自分も元気をもらえるような気がする。
今日は自分よりずっと若いRYOSUKE君にパワーを頂きました。