奥山陽一のコラム

2009/08/15

高速道路を考える。 士別も渋滞しています

 

お盆のまっさだ中、士別を走る国道40号線もこの時間でも渋滞している。

普段は街の商店街と同じように人もいなけりゃ車もたいして通らないようなこの40号線。



 毎年お盆の帰省時期になると若干込み合う程度で、渋滞とまではいかないのだけど、

今年はやけに車が多いように感じる。

 

どうやら帰省されている人達の車だけでは無いようだ。

 

士別は今のところ日本最北端のインターチェンジの街となっている。

このインターチェンジから更に日本最北端の街稚内までゆっくり走っても3時間。

その間、名寄、美深を過ぎると何にも無い原野をひたすら走るだけ。

 

内地の人達からすればこのな~~~んにも無いのが感動的だったりもするらしい。

 

今年はキャンプ道具を満載にした車が結構目立っている。

 

ETCのキャンペーンもあってなのか道外ナンバーの車が多いような気がする。

 

このキャンペーンに便乗して宣伝しようと、士別の商店街なんかにも参加を呼びかけていたけど、果たしてその効果はあるのだろうか?

 

其々の商店が独自に宣伝をしてアピールしていくならまだ可能性はあるにしても、ただ単にETC割引で士別に来てください、参加してる加盟店はこんなにありますよ~~!くらいでは一体何が伝わるというのだろう。

まあやらないよりはやった方が良いけど、その手法はどうなのかと考えさせられる。

 

この高速走路も、士別以北に暫定道として延長していく為の工事が行われているが、私は個人的には大反対です。

 

こんなものが出来たら、士別は終わりを迎えるだろう。

 

今日の渋滞もインターが士別の街の南の外れにあるから北から車が渋滞しているのであって、これで暫定道が出来たら、名寄やその手前の智恵文辺りから乗られると、士別の街の中は閑古鳥になるのは目に見えている。

それに加えてETCが1000円、旭川や札幌がより近く感じられるようになるだろう。

更には高速道路が無料になんてなってしまったらどうなんだろう?

 

私も頻繁に高速を使うので安くなるのは大変ありがたい事だけど、長いスパンで見ると士別や名寄のような小さな街は更に衰退の一途を辿る事になり兼ねないのではと心配になってしまう。

 

ゆっくり走ろう北海道!

こんなキャッチコピーを思い出す。

 

世の中便利に成り過ぎて大切な何かを忘れちゃいないだろうか?

 

先に書いたように、何にも無い大地を走る事だけでも北海道を感じる事ができるのです。

これが高速なんかをひたすら走り続けりゃ、人は何を感じるのだろう。

 

 

今の時代、車で移動中には子供達はゲーム片手に風景なんか見ることも無くなってきた時代かもしれません。

運転してくれている人の労をねぎらう事も感謝の気持ちも無く、全てにおいて悪循環を生んでいるように思えてなりません。

確かにゲームをやっていてくれれば車の中はおとなしくてイライラも少なくなるかもしれません。でもそれ以上に子供達の未来にはデミリットが生じるという事を覚悟しておかなければなりません。

 

通る先々の街の事、街の事が解らなきゃ地理的に今どの辺を走っているかなんていう些細な会話でも良いのです。

子供達にはせめて北海道の地理くらいは、大まかでも良いから知っていてもらいたいもんです。

 

寄り道は大きな心の財産です。

 

でっかい北海道、そんなに急いで何処へ行く!

ゆっくり走ろう北海道!

 

 

 

 

 

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