奥山陽一のコラム

2009/08/07

北見にて

 

4日から日本写真文化協会北海道写真館連合会の全道大会に出席の為、北見の温根湯温泉に行ってきました。



いつもはこちらの会の大会には会費さえ払えば誰でも会員になれるし、大会といっても温泉で酒を飲んで親睦を深めようという事で、写真の話が真剣に出来ない人間が多く、興味も無いので殆ど顔を出す事が無いのだけど、今回の講師は営業写真の研究会でも日本のトップレベルの会の副代表をしている方で、来年その会の試験を受けようと思っているのでどんなレベルなのかも知りたくて参加することにした。

 

先日の夜北見に入り、若い人達と朝方までテンションアゲアゲで飲み明かし、歌い明かし、語り明かしました。

(犠牲者の皆様の御冥福をお祈り申し上げます 笑)

 

大会の講演は2時から。

朝はのんびり寝てられると思っていたら、3時間位の睡眠で目がパッチリ覚めてしまった。

(普段は絶対に有り得ない)

どういう訳か全てが何時もとは違う行動パターン。

普段ならシャワーを浴びて、チェックアウトギリギリまでゴロゴロしているのに、この日に限っては

早々に身支度を整えてチェックアウトの一時間前には車に飛び乗った。

 

少し早いけど、寄り道しながらのんびり会場まで走ろう・・・・

 

エンジン始動!いざ出発!

 

・・・・カチッ  ・・・・カチッ  ・・・・カチッ

 

エンジンが掛からない・・・

 

・・・・カチッ  カチッ  カチッ

 

まるで映画のワンシーンのようだ・・・

主人公が危険に迫られ車に飛び乗り、必死にキーを回すがエンジンが掛からずにいるまさしくあの状態。

 

確かに以前から予兆は有ったのだけど、まさかこんな大事な時に・・・

 

たしか北見の写真屋で、車に詳しい従業員が居たはず・・・・

電話をしてみると直ぐにO君が駆け付けてくれた。

バッテリーをジャンプしてみたりエンジンルームを覗いてみたり・・・・

結局O君の知り合いで外車を扱う車屋さんが居るとの事、お願いする事にした。

 

電話をするとすぐに駆け付けてくれ、車の下に潜り込みながら一言・・・

セルが逝ってますねえ・・・

はぁ~やっぱり・・・

 

保険屋さんに電話をし、ロードサービスを使ってレッカー移動。

 

普段には無い行動パターンはもしかしてこの為のものだったのかもしれない。

普段通りなら間違いなく大会に遅刻どころの騒ぎでは無かったかもしれない。

 

O君のお店の従業員の人達も大会に参加するということで車に便乗させてもらい、

無事に講演にも間に合った。

 

講演が始まり、東京から来た講師が講演の中でスライドを見せながら作品を紹介していた。

そこで突然・・・・

 

「こちらの写真のモデルさんは美容師さんで、職人気質でかなりのツッパリで、我々の業界で言うなら北海道の奥山さんのような感じのモデルさんです」

会場中の視線が私に向けられ ドッと笑われた。

私も突然の事で思わず吹き出してしまった。

後から講師が盛り上げる為に名前を出してしまってゴメンと謝ってくれました。

 

講演が終わり、休憩に入り、会場に飾られている講師の作品を見せて頂いた。

レベルが違う。

一瞬で北海道の写真館のレベルとの差を見せ付けられたような気がした。

何処までも優しい人柄で、でもとてつもなく厳しい道を歩んできた人に違いない。

全てが良いわけでは無いが、久々に負けたくないという気持ちが芽生えた。

 

休憩が終わり、コンテストの講評と入選者の発表の時間となった。

家族写真の部と一般記念写真の部の二部門から合わせて16点が入選となる。

 

まずは家族写真の部

 

何点か講評が進むと、私の写真が取り上げられた。

自分の予想通りの写真が取り上げられ、今年もなんとか入選一席を頂いた。

そしてなんと・・・

稚内の毛利店長が初出品で見事特賞に輝いた。

本人もビックリしていたけど、私もビックリしてしまった。

出品するまでに、製作の段階でアドバイスしながら裏技を使い、苦労して仕上げさせたのだけど、

まさか特賞を頂くなんて・・・

 

次は一般の部

 

こちらも何点かの後に私の写真が取り上げられた。

この時突然講師が私に話しを振ってきた。

 

「この少女に対して非常に良く表現されていると思いますが、この独特の空間というか間のとり方はどのような考えですか?」

(なんだよ突然に!勘弁してくれよ~!)

 

「はい、私はこれからの写真表現においてはデザイン性のある見せ方も必要になってくると考えていますので、この間のとり方が奥山だと言い切れるように意識しながら構図を考えています。

詳しい話は後からゆっくりしましょう・・・」

 

他の人はすんなりと終わってるのに、なんで私ばっかりに絡んでくるんだろう。

とりあえずこちらの部門でも入選の一席を頂きました。

 

長い宴会も終わり、二次会に移り、講師がニヤニヤしながらおいでおいでと手招きしています。

 

やはり最後まで残っているのは写真を一生懸命やろうとしているいつもの若いメンバー。

ここから講師を囲んでバトルが始まった。

講師は私の事をツッパリ、ツッパリと言います。(もちろん写真に対して頑固という話です)

私はシャイでクールで思った事の半分も言えない男。

私から言わせれば講師の方がはるかにツッパリだし、今回色んな写真を見せて頂き、何となく悔しいから今に見てろよ!っていう気持ちでいると伝えると、講師も負けずに よーし俺も奥山には負けずにまだまだ頑張ってギャフンと言わせてやると応えてくれます。

 

そんな会話のなかで周りも盛り上がり、若い人が、北海道には奥山さんみたいな人がいるけど、俺達もいつか奥山さんをギャフンと言わせてやりたくて追いかけてきたという話も聞かされました。

そこに居るメンバー全一致で、奥山を潰す会が発足されたとかしないとか・・・

こんな話をしながら夜更けまで盛り上がり、今年の夏が終わりました。

 

今年は二つの北海道大会で、3つの賞を頂き、日肖写の全国大会でも入選させて頂き、

これで通算23年間連続入選を果たしました。

せめて25年連続は目標としたいところですが、若い人達がドンドン追いかけてくるのでどうなる事やら・・・・

 

 

 

 

 

 

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