奥山陽一のコラム

2009/07/12

知床ガイド3

 

今朝は8時15分にホテルのロビーで待ち合わせ。

あら?おかしい? いつも一番朝に弱い私がギリギリにロビーに着いたのに二人はどこ?



電話で呼び出すと、寝起きの声で娘さんが無理やり元気そうな声で「は~い!今すぐ行きま~す!」と電話に出た。

ロビーに二人が顔を出すと、ちょいと寝坊気味だったのだろう、二人とも目が死んでいたw

 

今日はクルーザーに乗って、ホエールウォッチング。

 

夏の時期羅臼沖に現れる、マッコウクジラを探しに出かけた。

昨日は沖合いで7匹のマッコウが顔を出したという情報を耳に、期待も高まった。

 

珍しく沖には国後島をはじめ、北方の島が全部顔を出してくっきりと肉眼で見る事ができた。

天候も良く、波はベタなぎ、海のドライブには最高です。

でも、私の頭の中にはこのベタなぎがどうも引っ掛かってならなかった。

 

船には20名程の乗客があって、デッキには座る場所が無かったのだが、悪友の御蔭でスペシャルVIPルーム(操舵室)で悠々自適に過ごさせてもらった。

往復2時間半の船旅、席取りを急いで冷たい潮風に当たるなんて・・・・北の海をなめちゃいけないよ。 ってな感じでかな。

 

操舵室ではキャプテン(船長)や乗組員同士のまるで漫才のような会話が聞ける。

 

「おい、今朝は鳥っ子の姿もねえべよ」

「ぅんだ~、生き物一匹いねえ雰囲気だべさ」

「おいおい誰だよ普段の行いの悪りぃのは?」

「今日は役所の人間が乗ってきてるからじゃねぇの~」

「んだあ~、役所の人間が乗ってるからマッコウも隠れたんだべさ」

 

こんなやり取りの中、船はマッコウを探しながら沖へと進んだ。

レーダーに目をやると、ロシアとの境界線ギリギリのところまで進んできているではないか。

私も何度か乗船しているが、いつもならイルカがギリギリまで近寄ってきて伴走してくれたりしながら

楽しませてくれたりもするけど、今日はそれすら見当たらない。

 

ようやく目の前にイルカが二頭横切ったが、それもそこまで・・・・

しばらくすると、船から数キロ先にクジラらしき魚形を発見。

良く見るとミンククジラだった。

私は一度目のライズを見つけると、次のライズを予測して、顔を出しそうな方向にカメラを構えた。

予測はドンピシャ! 顔を出した瞬間をしっかりとカメラに収めた。

・・・しかし

あまりにも遠すぎて、クジラなのか岩なのかも区別がつかないくらいに小さくて使い物になるもんではなかった。。。

 

乗組員の人達も、マッコウ探しにやっきになっていた。

10キロ先のクジラの音を拾う事が出来る超音波集音マイクまで登場したが、それでもマッコウの気配すら感じる事が出来なかった。

 

私の悪い勘は当たったようだ。

 

ベタなぎは魚の動きを鈍らせる。

 

カレイなんかを例にあげると、ある程度の波の動きで海底が動くと、餌になるものも動くので砂煙が舞うとカレイはフワッと体を浮かせて餌を捕食しようと動き出す。

 

私の勝手な予測だけど、無線で羅臼側はベタなぎでも、知床半島を境にウトロ側は波が多少あるらしいと会話しているのを聞いて、昨日マッコウがそれだけ群れていたのなら、きっと半島の先端に向かって餌を追いかけたのではないかと考えた。

私が船長なら時間が許されればきっと半島に向かったかもしれない。

いや、間違いなく向かうだろう・・・・  まあ、生き物相手、自然が相手なのだからこればっかりはしょうがない事だし、水族館ではないのだからこれもまた北海道の自然の偉大さなのかもしれない。

 

リベンジ リベンジ・・・

 

無事船が寄港し、すし屋で昼食を済ませ(ミョウバン臭いウニ丼食べさせてごめんよ)、相泊まで車を走らせた。

まさしく知床半島での車の通れる道路の一番奥の行き止まり。

あいどまり・・・ 話のネタに相泊まで行き、帰りがけに新しく出来た羅臼のネイチャーセンターでシャチの標本を見たり、知床の四季のビデオを見て(爆睡してました) 羅臼をあとにしました。

 

昼には羅臼を出る予定が、時計は3時半。

 

最後の夜は士別で温泉宿にでも泊まってゆっくりしてもらおうという予定も、予定は未定という話になってしまい、士別に到着時刻を考えると食事が出来るお店も無いだろうという事から、急遽北見で夕食をとってから帰る事にした。

 

さっそく、今回初日に参加してくれた北見の二人のメンバーに連絡を取り、スタジオ見学もしてみたいという事からお願いして対応してもらった。

その後皆で、私のお気に入りの焼肉屋さん(牛タンの刺身やミノの刺身等、新鮮なお肉を食べさせてくれる)で盛り上がり、北見を後にした。

初日も焼肉だったけど、炭で焦げた焼肉も良いけど新鮮な北海道の生で食べれる牛肉も良いだろうということで丸く収めてもっらったw

 

夜中の2時頃ようやく士別に到着。

 

道中、北見の連中が私の暴走運転の話を余りにも大袈裟にするもんだから、気を遣って?

いや怖くて眠れなかったのだろうか・・・先生の奥様が居眠りひとつせずに私に話し掛けてくれていた。

助手席では娘さんが気持ち良さそうに涎を垂らしながら眠っているというのにwww

10年以上無事故無違反のゴールド免許で、おまけに夜は絶対の強さを誇っているのに・・・・

それより昼間の方が居眠りしてるかも・・・w

奥様、少しやつれてたかも・・・・北見の連中め!

 

士別に無事に到着し、スタジオを見ていただき まずはお風呂に入ってもらった。

我が家のお風呂は24時間何時でも入れて医療用だか何だかでお肌にも良いらしい。

こういう時にいつでも入れるお風呂はありがたい。

 

二人がお風呂から上がると奥様は直ぐに爆睡したようだった。

その後娘さんと次の北海道旅行の話に盛り上がり、結局朝5時頃まで話込んでしまった。

早く起きれたら美瑛を周る。

起きれなかったら士別の羊でも見ながら空港へという事で眠りに着いた。

 

 

 

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