2009/06/24
日肖写2 三ケ日
蒸し暑さのせいか、今朝は7時に目が覚めてしまった。
予定ではのんびりと昼まで寝る気満々だったのに・・・・
普段は朝食より寝る時間と言いながらホテルに宿泊する時には朝食は食べないのだけど、
眠れそうもないので、シャワーを浴びてモーニングと言うものを食べにレストランに行ってみた。
「御客様、朝食の方は御予約を頂戴していないようですが・・・」
予約の際に朝食を外していたのを思い出した。
まあそんなものはどうとでもなるから、早速席に着いた。
やっぱりホテルのバイキングっていうのは好きになれない・・・
朝食を終え、部屋に戻る。
せっかくだから探索に出てみようかと思い外に出てみると、熱くてとてもじゃないが一気に戦意喪失。
早々に部屋に戻り、ベットの上でのんびりとテレビを見たり、新聞を見たり、 早起きは三文の徳には当てはまらないようだ。
部屋の窓から景色を眺めていると古本屋の看板が目に入った。
あそこなら何とか行けそうだと思い部屋を出る。
古本屋には稀に作品のヒントとなるような写真集が置いてある時がある。
玄関を開けるとモワッとした生温い空気の中で、丸いメガネをチョコンと鼻に引っ掛けた感じでモデルになりそうな可愛らしいお婆ちゃんが座っていた。
店内を見渡し、写真集を探していると・・・
「あんた何を探しているだね?」
「何って訳じゃないんだけど、写真をやっているもんだから参考になるような物を探してるんだ~」
「あら写真屋さんかね?なんぼ探しても私の写真集なんて置いてないだよ ガハハ」
「ブッッ! お婆ちゃん面白い事言うねえ、座布団三枚!」
「長生きしてるもんで、座布団より椅子が良いのぉ~~~ヒャハハ」
婆ちゃん面白い!
北海道から来たというと 「あらま、私に会いにわざわざ来てくれたら~?」と独特の方言でテンポ良く笑わせてくれる。
奥から缶コーヒーやコーラをお盆に載せて出してくれた。
「北海道みたいに涼しいとこからじゃ暑くてたまらんだら~?汗かいとるで~」
汗ばんだ顔を見て気を遣ってくれたんだろう・・・こんなところでも人の優しさに触れる事が出来て自分まで優しい気持ちになれる。
残念な事に写真集は扱っていなかったけど、コーヒーを御馳走になりながらお婆ちゃんとの話に盛り上がり、楽しい時間を過ごさせてもらった。
今日は地元北海道の美瑛の弟子(以後 美瑛と略)と2人で三ケ日の先生のお宅にお邪魔する事になっている。
美瑛を迎えに空港に逆戻りしなくてはいけない。
予定より早く着いたので、お土産屋さんで買い物を済ませて宅配で会社に送ったり、喫茶店で時間を潰した。
ようやく美瑛が到着。
高速バスで三ケ日まで走ること1時間半。
バス停の近くまで先生が迎えに来てくれていた。
三ケ日の楽しみの一つに、先生の作品をオリジナルで見せていただける事が出来る。
亡くなった自分の師匠と出会い、そこから三ケ日の先生と出会うことが出来た。
2人とも年齢も、作る作品も違うけど、写真に対する心根の部分が同じところを辿っている。
作品の世界というより、写真をやる人間にとって一番大切な心根の部分を知っている先生です。
出会って15年、2人の先生のその心根の部分との出会いが今の自分を作ってくれたと言っても良いくらいです。
今年は、国画会に出品された作品や、なかなか手に入りづらい印画紙などを見せて頂き、紙の選び方などの大切さを再認識させて頂きました。
三ケ日でのもう一つの楽しみが、先生の御家族と一緒に頂く夕食。
鰻の白焼き、蒲焼、混ぜご飯・・・鰻、ウナギ、うなぎ・・・
更には新鮮な鰹のお刺身やタタキ・・・ にんにく醤油で頂くのだけど北海道では絶対に食べられない美味しさ。
先生のお嬢さんからメールで食べ物のリクエストを聞かれ、何の迷いも無く鰻と鰹!とお願いしてしいたけど、食卓に座るなり次から次へと鰻が出てくる出てくる・・・久しぶりに美味しい鰻と鰹を御馳走になりました。
日肖の過酷な大会をこの鰻と鰹の御蔭で乗り切れるといっても大袈裟では無いかもしれません。