奥山陽一のコラム

2008/09/07

羅臼知床釣りツアー

 
0907.jpg 3日~5日まで年に一度の完全OFF
お盆は休めないので、ちょっと遅い夏休みを満喫してきました。

毎年恒例の羅臼知床カラフトマス釣りツアー。

三日の夕方羅臼に到着、そのまま海岸にて第1投。

いきなりヒット!

竿が弓なりにしなり、リールからラインが音を立てて出て行く。
カラフトマス独特の強い引き。


バシャッ!海面から勢い良くジャンプして、戦いを挑んでくる。
上等だこの野郎! 地味な釣りのイメージからかけ離れた立派なスポーツ、いや、格闘技とも言えるかもしれない。

ギンピカの初物ゲット!

幸先が良い・・・・この時、これから始まる悲劇など知る由も無い。

今回のツアーには6人が参加。

この一匹を上げてから、誰の竿にもアタリが無い。
目を凝らして海面を見つめるが、群れが見えない。
魚影を見つけるのが得意な俺も、自分の目を疑った。

今年は水温が高く、岸寄りが遅れているとは聞いていたがまさかここまでとは想定外・・・・

そんな時、海面がざわめきだした。

少ないけど群れを発見した。
そのど真ん中に皆一斉にキャスティング。

食いつかない・・・・仕掛けを変えたり、探るタナを変えても反応は無い・・・時期的にもエサをガンガン追う時期は過ぎてしまっているけど、ここまで釣れない事は10年通って初めてだ。

確かに夕方より、朝方薄暗いうちからの方が食いは良い。
でも、でも・・・・

結局日が暮れたところで初日はゲームセット。

二日目・・・
朝3時に起きていざ勝負!
昨日の薄い群れがまだ残っていた。
何度かキャスティングを繰り返すと、いきなり竿を持って行かれる勢いのアタリ・・・・きたぁ~~~~!

隣でも、きた~~~! 立て続けに3本ゲット。

やっぱりこうでなきゃ・・・・

しかし・・・・

アタリもここまで。

パッタリとアタリが止まってしまった。

しょうがないので休憩。

昨日の釣ったカラフトマスでチャンチャン焼きを皆に振舞った。
丸ごと一匹あっという間に完食。
味噌の香ばしい匂いがたまりませんでした。

その間、10年一緒に通っている若い子が、釣った魚をさばいていた。
包丁も持てなかった子なのに、自然を相手に色んな事を学んでくれているようだ。
筋子と白子を袋に詰め、石を積んで生簀を作り魚を沈めていた。
他はしっかりと海に戻してやっている。

自分や周りの人間が食べる分以外はそっと放してやるのが俺達のルール。
それも若い人達に伝えたい遊びの中の学び。

チャンチャン焼きが終わり、次は焼肉。

周りにはおこぼれを狙ってカラスとかもめがチョロチョロ。

その時目の前をくちばしの赤いかもめが飛び去っていった。
くちばしが赤い? あれ? 赤いのは筋子じゃないか・・・

え?? しっかりと袋から白子を残して筋子だけが消えていた・・・ かもめ恐るべし! 

一同苦笑い。。。

夜には友達が宴会を用意してくれている。
この宴会も年に一度の楽しみ・・・・
ただし、23時には漁に出掛けるので宴会はちょっと早めの17時半集合。

それにメインイベントは翌朝の知床半島への船渡し。
夕方早めに切り上げこの日はトータル5本でゲームセット。

ところが・・・・ 無い!! 魚が消えている!!

生簀を作ったのは干潮時・・・今は満潮・・・・
生簀はしっかりと海の底。
魚さんはドンブラコッコ、ドンブラコ・・・・流されてしまったらしい・・・  自然恐るべし!

一同あきれて大爆笑

その分、山盛りのタラバの刺身、サメガレイの刺身、時知らず、キンキの刺身、etc 高級料亭でも出てこないような高級食材をヤケ食いしてやった。 
それにしてもやっぱり羅臼の海の幸は最高!

最終日・・・
3時半出航。
前日、漁師仲間達から今年は魚は薄いけど、熊が異常に出没しているらしく、羅臼の小学校のグランドにあぐらをかいで座っていたり、我が物顔で堂々と道路で寝ていたりしているらしい。と聞かされていた。

前日も漁港に出てきて、漁師が海に魚を投げたら飛び込んで、食いついたらしい。 もちろんその場で猟師に撃たれたのだけど・・・

毎年お願いしている船頭さんからも、これから行くポイントも今年は熊が居ついて、爆竹や発炎筒等で威嚇しても逃げ出しもせずに堂々と居ついていると聞かされた。

エサが無いのか、人馴れしてしまったのか・・・・

地球温暖化の影響が何かを狂わせているように思えてならなかった。

一同ビビリ顔・・・俺は何度も遭遇しているし、頭の中は今年の手ごわいカラフトマスの攻略方法をイメージトレーニングすることでそれどころではない・・・・

知床半島の断崖絶壁をスレスレに走ってくれながらポイントに無事上陸。 

釣竿を握り締めながら後ろが気になって仕方が無い様子の人がいてその姿に何故か笑えた。

上陸後全員に一斉にヒット。

その後はまたもやアタリが無くなった。

さすがに焦りだした。

群れは入っているけどいつもより深い。
水温が高いせいかもしれない。

今回は札幌から叔父夫婦が九州に越してしまうという事で、
最後の記念に羅臼で釣りをしてみたいという事で参戦している。
釣り道具を一式二人分を買い揃えての参戦。
どうにか釣らせてあげたい。

ひたすら群れを追いかけて歩き回った。
たまにアタリはあるけど初めてのせいかタイミングが合わせられない。 

帰りの時間まで残り1時間半・・・諦めかけたその時!!

きた~~~~~~~~!!

沖の方から大きな群れが波立たせながらドンドン岸に寄ってくるのがはっきり見えた。
その波は初めての叔父夫婦にもはっきり見えていた。

爆釣モード突入!!

休む間も無いほどに次から次へとヒット!

後は体力勝負、筋力勝負!

俺は1時間程で32匹釣り上げた。

釣っては放し、釣っては放す。

みんなに勿体無いと怒られるけど、俺はあくまでも魚との喧嘩を楽しんでいるだけなのだ・・・・
4年も掛けて育ち、やっと辿り着いた故郷でこれから産卵しようと必死に頑張って生きている。

持ち帰って食べるのはその年の初物の中でもギンピカの一匹程度と欲しい人におすそ分け程度。

子供にも持ち帰るなら絶対に残さず食べる事、食べないのならすぐに放す事。魚さんにありがとうと感謝して食べる事。
これだけは絶対のルールで教えてきた。

海の幸でも山の幸でも、採り尽せばどなることになるのか、最後には自分達の未来にしっぺ返しを食らう事になる。

人間は、根こそぎ採り尽くしては採れなくなったと後悔する事を
繰り返す。
自分が採らなくても誰かが採ってしまうのだから・・・・そんな考えがこの国をダメにし、この星をダメにする・・・・

自分が口にする分や、食べてくれる人におすそ分けする程度の恵に感謝して頂くだけで充分。

まあ難しい話は・・・・どうでも良いですよ~♪

他の皆も其々10~20匹は釣り上げていた。
初めての叔父夫婦でさえ二人で10匹以上釣れていた。

やっぱり羅臼ツアーはこうじゃなきゃ・・・・知床ばんざ~い!

温泉あり、料理あり、お笑いあり・・・・充実した夏休みを過ごさせてもらいました。

お陰で顔が季節外れの日焼けで、ヒリヒリです。
皮が剥けてボロボロで人前に出れません。
日焼けではなく火傷。
帰ってきた翌日はずっと顔を冷やして過ごしました・・・

近所の人に、ハワイにでも行ってきたの?と聞かれたので、
ハワイにカジキマグロを釣りに行ってきたと言ったら信じてましたw

今夜は風呂場で悲鳴を上げながら皮を剥きまくっていました。
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